四天宝寺のお約束part2 (ページ10)

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process59.ある雨の日のhalftime ページ10

皆さん、ご存知だとは思うが。

私は動物が苦手だ。

「白石～猫飼えへんの？」

「すまんなぁ、金ちゃん。俺ん家猫飼ってんねん。せやしもしかしたら喧嘩してまうかもしれへんし」

「千歳は～？」

「オレも銀さんも一人暮らしだっちゃ。
スマンね…金ちゃん」

「む…申し訳無い金太郎はん」

「…そっか」

しかして、金ちゃんが大雨の中救いだした子猫ちゃんの引き取り手が見つからない。

もちろん初対面で動物に嫌われちゃうよﾃﾍｯ☆症候群の私が飼える筈も無い。

「謙也くんは無理？やっぱり」

「…せやなオレん家病院やしな。患者さん噛んだりしたらあかんし…」

「はっ！困ったときの財前ボーイ！」

「ぶっ飛ばしますよ先輩。甥っ子がまだ小さいし動物も苦手やし無理ッスわ」

「またまた～ほんとは面倒臭いだけなんでしょ？」

「……………………」

「否定しないんかい！」

こうなれば最後の頼みの綱、春4ペアに懸ける。

「ユウジく…」

「オレは猫よりも小春が好きやからな！」

「いや～んユウくん男前～」

「…………………」

ぶれないな、お前ら。

軽く尊敬するわ。

「…ん？」

「…どうしたの白石部長」

「…いやもう１人おったやろ？財前の他に」

何が、と問いかけて一瞬フリーズする

「…オチ担当的な…？」

「…で？言いたいことはそれだけか？」

「かたじけない」

財前をオチ担当と呼ぶならば、神はこの男を大宇宙統合ネオ・オチ担当と呼ぶのだろう(もう訳が分からない)。

というわけでこの男。

「…この大雨の中、決死の覚悟でパンツまでずぶ濡れになりながらここまでやって来たオレに対して一言」

「災難だったね～」

「スマン白石！オレ刑務所にぶちこまれてええからこいつ殺してええか！？」

「せやな」

「人の話半分も聞いてなかったやろ自分！」

人の話は半分だけ聞けって言うしね。

「もう何もかも察してると思うけど頼んだで副部長」

「いや知らんて！なんの話やねん。そんで勝手な時だけ副部長て呼ぶな！」

「これでひとまずは安心やね、金ちゃん」

「せやな～千歳」

「待てそこせめて今オレが置かれてる状況を簡潔に誰か説明してくや！」

「出番だ財前ボーイ」

「嫌や、謙也さんパス」

財前から指名を受け、やれやれと謙也は子猫を持ち上げた。

「にゃ～ん」

「…………え」

この状況を伝えるのに言葉なんて必要無かったようだ。