四天宝寺のお約束part2 (ページ36)

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process85.聖なる夜にページ36

冬の風物詩といえば鍋。
それは当たり前の話で、特に疑問に思うことなんて何も無い…筈なのだが

「独り身同士が集まって鍋パーティーって…」

「文句あんなら帰って下さい。アンタの家はあさっての方向ですよ。そのまま一人でフライドチキンでも買って帰ったらええやないですか」

「嫌や！せめて骨無しチキンにして！」

「ケン●ッキー食べたいな…」

クリスマスに独り身同士が集まって鍋パーティー…ってどうなんですかね、コレ。

寂しいよ。寂しマスだよ。

「一体、誰が言い出したんだっけ」

「いやお前や。発案したんお前や。」

もういいじゃん、どうせ家に帰っても暇だし。

「そういえば…白石とかおらんよな」

「ハッ…リア充が…」

「荒んでる！小石川君が荒んでる！ちょっと財前君ケータイ！録画！」

白石部長はねぇ…どうせ今頃デートとかしてるんですよ、多分。

＊

「あ、忘れてたけど私カステラ持って来」

「バルス！」

「滅びろってか！？だが断る！」

＊

「そういえばあの男の子どうなったのかな」

「あん？」

「ほら、女子の体操着を願ってた…」

「…サンタさんが叶えてくれたらええな」

「いやダメだろ。サンタさん捕まるから」

＊

それは帰宅途中。私達は見てしまった。

まだ灯りの点っているペットショップから出てきた人物がミルクティー色の髪しててなんか見覚えあるなーっと思ったら…

「…白石？」

「え？」

「あ」

「白石やんか。なんやお前、クリスマスにこんなとこで何してんねん」

見るとそいつは悲壮な顔しているではないか。
というかデートはどうした。

「け…謙也ぁ…」

グスッと鼻を啜る

「カブリエルが…もう…」

「…あんなぁ今日何の日やと思てん？クリスマスやで。奇跡を願わなどないすんねん」

どばっと白石の目から涙が溢れた。

「謙也ぁぁたまにはええこと言うやんけぇぇ」

「うわっこっちくんな向こう行け！何が悲しくてクリスマスに男に抱き付かれなあかんねん」

「カブリエルぅぅまだオレを置いて逝かんとってぇぇぇ」

「離れろやコラ！先輩後輩コンビが録画してるから！」

来年も、こうやってみんなとワイワイやれると良いな。

聖なる夜奇跡を信じ願いを込めて。

＊

おまけ

ちなみに友達にクリスマスにテニス部員達と鍋パーティーするのも十分リア充だと言われました(作文!?)。

悠木A

Merry X'mas☆