process53.ある熱帯夜のこと。 ページ4
謎の凶行から数時間後の夜のこと。
それは暑い暑い熱帯夜の始まりでもあった。
財前の家から帰宅したヘタレの星もとい忍足謙也は夕食を食べシャワーを浴び、冷房を効かせた部屋で悠々とくつろいでいた。
あれから何度かAにメールしてみたものの返信はゼロ。
確かに自分も多少は彼女に酷いことを言ってしまったのかもしれない。だが、あっちもあっちで色々酷いことを言っていたのでは無いのか?
つまり、自分と彼女はお互い様なのだ。
これ以上いがみ合う必要も無いし、自分だけ責任を感じる必要も無い筈なのだ。
そんなこと考えていた数分後。
ヤツがやって来た。
「スンマセン謙也さん、いや先輩。
今日泊まらせてもらえまんか?」
「…は」
今宵の元凶、件の男が訪ねて来たのだ。
「なんや意外と片付いてるっすね。
14歳男子にしてはやけど。」
「ああせやな、ってそこちゃうねん。
どないしてんお前?」
驚くのも無理は無い。
なんだって目の前の後輩は普段では考えられない程しんみりとしているのだから。
「…悠木のことか?」
「…一体オレはなんて答えたら良かったんっすかね。」
「…不安なんも分かる。ただ…覚えとき。模範解答なんて存在せんのや。自分の思ったこと正直に言ったお前も間違うとらん。」
「その正直なこと言うて怒らせたんですけど」
フッと頬を緩める
「罪な男やな、お前も」
今回のことは財前は間違っていない。そして
Aも。
どちらも間違っていないからこそ起こった結果なのだ。
「それにしても…お前も実は可愛いげのあるやっちゃな。先輩とケンカして相談する為にオレんとこ来るって」
「は?」
「え?ちゃうの?」
「…悠木先輩にオレの部屋のエアコンのリモコン持って帰られたんですわ。」
「…はああ!?」
「エアコンの本体のスイッチから電源つけてみたら温風で…設定変えられへんし、暑くて寝られへんし…」
「それで…オレんとこ来たってことか」
こくり、と頷く財前。
それと同時に謙也はベッドにバサッと倒れ込む。
「なーんや…ツンデレ後輩のデレが遂に見られたと思たのに…」
財前はニヤリ、と意地の悪い笑みをつくる。
「オレのデレはそう簡単には拝めませんよ。」
「…ほなら賭けしよか」
「賭け?」
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皆を騙す詐欺(ぺてん)師 - めっちゃおもろい(*≧∀≦*)(´∇`) (2018年1月23日 16時) (レス) id: 237e1b1da0 (このIDを非表示/違反報告)
皆を騙す詐欺(ぺてん)師 - 本気と書いてマジと読む。ですね( ☆∀☆)www (2018年1月23日 16時) (レス) id: 237e1b1da0 (このIDを非表示/違反報告)
クルエル(プロフ) - ゆうさん» あ〜、だんだんとねwwww (2014年8月7日 23時) (携帯から) (レス) id: 3cb9714877 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - クルエルさん» クライマックスで、だけどww最初はギャグだわww (2014年8月7日 22時) (レス) id: 5b35e72707 (このIDを非表示/違反報告)
クルエル(プロフ) - ゆうさん» マジか!ドンと来い!!← (2014年8月7日 22時) (携帯から) (レス) id: 3cb9714877 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆう | 作成日時:2014年8月6日 23時