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『 え?永瀬、何言ってるの? 』
廉「 みんなの足引っ張りたくないし……っ 」
声を震わせる永瀬は
バスケ部を辞めたいなんて、
本心では思ってないはず。
でも、
廉「 俺、不器用やから
バスケも勉強も、なんて無理なんよ。
だから、分かってや 」
いつも嫌味ばっかり言ってくるあの永瀬が
必死に訴えかけるその緊迫感に、
私は何も言えなかった。
と、そのとき、
ずっと黙って聞いていた紫耀が口を開いた。
紫「 廉はそれでいいの? 」
廉「 は? 」
紫「 部活辞めて、後悔しねぇの? 」
紫耀の真剣な言葉に、
永瀬がぐっと拳を握りしめて。
廉「 後悔しやんわけないやろ!!! 」
大きな声で怒鳴った。
いつも冷静で、クールな永瀬だから
こんなに声を荒げたことに、少し驚いたけど。
廉「 俺だって、最後の試合、
みんなで出たいに決まってるやん!
でも、俺には無理なんや、
みんなに迷惑はかけたくない 」
相変わらず震える声は、
永瀬を弱々しく見せた。
紫「 そんなこと言って逃げんじゃねぇよ、
そんなにチームが大事なら
倒れてでも最後の試合に出ろ
言っただろーが、練習には来なくていいって 」
廉「 え…… 」
紫「 その代わり、試合に来なかったら
ぶっ殺すからな 」
廉「 ふっ…… 口悪(笑) 」
笑い合って肩を組む2人。
チームの中でも特に
最強のタッグと呼ばれる2人だ。
誰よりもお互いのことをよく分かってて、
ちょっぴり不器用だからぶつかることも多いけど
そんな2人にしか分からない感情があって
やっぱり少し、羨ましくなった。
廉「 なんや、俺に嫉妬か? 」
『 はあ?別に!?
男の友情には首突っ込まないんで! 』
廉「 まあそんな怒んなって、
ほら、返したるから 」
そう言って、ニヤニヤしながら
私に紫耀を押し付けてくる永瀬は
完全にいつもの調子を取り戻したらしい。
『 うっざ!!もう永瀬とは2度と口聞かない! 』
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タイリ - やっぱり、自分に自信を持つって大事なんだなぁ〜と、思いました。 好きな人が離れていくようで怖いけど自信を持って自分のところに戻って来るまで待っていてほしいと思いました (2018年10月16日 20時) (レス) id: f232c3d28b (このIDを非表示/違反報告)
mii(みぃ)(プロフ) - タイリさん» 素敵な感想ありがとうございます( ; ; )切ない中のキュンキュンを大切にしてるのでそういう風に感じていただけて嬉しいです!! (2018年9月9日 14時) (レス) id: 98fec86812 (このIDを非表示/違反報告)
タイリ - 初めまして、タイリです。この作品は 貴方には私しかいなくて、私にもあなたしかいない。 少し複雑だけど、お互いを思う気持ちがどこか切なくて甘酸っぱいところが、とても面白くていいと思います。 (2018年9月9日 10時) (レス) id: f232c3d28b (このIDを非表示/違反報告)
mii(みぃ)(プロフ) - クロミさん» 全然適当でいいと思います!(最低なアドバイス)ありがとうございます!頑張ります! (2018年8月16日 1時) (レス) id: 98fec86812 (このIDを非表示/違反報告)
クロミ(プロフ) - はい!そうです!やっぱりテキトーでいいですよね!ありがとうございます(ノ≧▽≦)ノこれからも頑張ってくださいね! (2018年8月15日 16時) (レス) id: 968315edd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mii(みぃ) | 作成日時:2018年8月2日 13時