隣の君は。

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鍵は貰ったものの、
無言で入るのもまずいと思って。



『 平野くんいる？百瀬です 』

一応ドアをノックした。



すると、中から出てきたのは岸で。


事情を知らない岸が
不思議そうに私を見つめた。

何でいるの？、と言わんばかりに。




『 神宮寺くんに、
平野くんが酔ったから介抱してあげて
って言われてきました 』


優「 ああ、あいつか、
まあ入りな？ 」



岸はようやく状況を理解したのか
私を部屋に入れてくれた。

もうすぐ練習ということで
岸は練習着に着替えていた。

あと、永瀬も。



『 何でこいつがいるの、聞いてない 』


廉「 はあ？勝手に人の部屋入ってきて
いきなりなんやねん！ 」


『 私は神宮寺くんに頼まれてきたの！ 』


優「 お前ら、紫耀が具合悪いのに
ちょっとは静かにしろって…… 」


廉「『 ごめんなさい 」』



珍しく正論を言う岸に怒られて
黙る私と永瀬。



優「 とりあえず俺と廉は練習行かなきゃだから
百瀬、紫耀のこと看ててやってくれる？

コーチには俺から言っとくからさ 」



そして、冷静に対応する岸。


普段は弄られてばっかりだけど、
意外と頼りになるんだな、なんて思いながら

もちろん、と答えようとしたその時。



紫「 俺も練習行く 」


と、真っ青な顔の平野くんが
ふらふらと立ち上がった。



『 何言ってんの、
そんな体で行けないよ！ 』


咄嗟に受け止めてしまった平野くんの体は
筋肉質で、男らしくて、

不覚にもドキドキしてしまった。

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