隣の君は。

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廉「 邪魔 」


『 え、あ、ごめんなさい 』



いつもの部活の時間より少し早く
準備をしようと思って来た体育館。

岸と平野くんは補習に引っかかったらしくて
今日は1人で。


そしたら、先に来ていたのか
噂の永瀬くんが、背後から私を睨みつけていた。




廉「 お前も紫耀目当て？ 」


『 えっ？ 』


いつものキラキラスマイルはどこへやら、
私にだけあたりがきつい。

ろくに話したこともないのに。




廉「 まあいいけど、
そんな生半可な気持ちなら辞めた方がいいで 」


永瀬くんは鋭い言葉を吐き捨てて
ボールを手にした。



確かに、私は平野くんのために
マネージャーになったけど、でも。




『 生半可な気持ちなんかじゃないんで！！

ていうか、貴方のファンの子達の方が
よっぽど怒るべきだと思うけど！？

自分だけチヤホヤされて、調子にのらないで！ 』


……あ、ああ、つい、言ってしまった。




案の定、怒鳴ってしまった私に
ぽかーんと口を開けている永瀬くん。

絶対、絶対に、引かれた。



でも、永瀬くんは
私の予想とは違って、爆笑した。





廉「 お前、めっちゃ面白いな 」


でも、どこか上から目線な永瀬くんは
好きになれない。




『 私、お前じゃない 』


廉「 知ってるよ、Aちゃん 」



不覚にも、彼に名前を呼ばれて
顔が赤くなってしまったのが、悔しい。

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