隣の君は。

隣 .34 ページ34

平野くんがいなくなって
急に無言になってしまった2人。



何か話さなきゃ、って思うほど
意識して何も話せなくて。


ただ岸の隣を黙って歩いていたら。




優「 ごめんな？ 」


いきなり岸が謝ってきた。




『 え？ 』


優「 気まずくさせちゃってたかな、って

俺、別に変な意味で
あんなこと言ったんじゃないから！ 」



ずっと悩んでたっていうのに、
いつもの調子で笑う岸を見たら。

なんだ、元に戻れるじゃん、って
拍子抜けしてしまった。





『 あ〜 もう、岸らしいなあ 』


優「 は？ 」


『 何でもないよ 』


優「 何だよ〜 」



そうやっていつもみたいに
アホっぽい声を出す岸に救われた。


ほんとに悩んでた自分がバカみたいだ。





優「 てかさ、
紫耀といつの間に仲直りしたの？ 」


『 さー？ 』


優「 はあ？何で隠すんだよ！ 」


『 別に言うほどのことじゃないもん 』


優「 あーそ、
まあ、よかったじゃん 」


『 うん、岸には感謝してるよ、ほんとに
……ありがとう 』


優「 はあ、なんか調子狂うわ 」




岸はそう言いながらも怒らないから

なんだかんだ甘えてしまうのは
私のダメなところかもしれない。



私の言動が君を傷付けるって分かってたら、
こんな風に側には居なかったのに。

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