隣の君は。

隣 .19 ページ19

そのあとの練習も、夜ご飯の時間も
岸のことばっかり意識してしまって。




廉「 お前さっきから
何でそんなにソワソワしてるん？ 」


『 べっ、別に？
ソワソワなんてしてないし！ 』


廉「 紫耀ー！ 」



ご飯をよそう私の近くに来た永瀬が
いきなり平野くんのことを呼ぶから。


紫「 ん？ 」


と、平野くんの視線が、
私たちの方に向けられた。


相変わらず平野くんの隣を
死守している日菜ちゃんは
少し嫌そうな表情。




『 ちょっ、何してんのよ！ 』


廉「 ええやん、
どうせ紫耀のことやろ？

お前奥手すぎるし
俺様が手助けしてやってんの 」


『 はあ？バッカじゃないの 』



呼ぶだけ呼んどいて
言い合いをする私たちを
不思議そうに見つめる平野くん。

か、かわいい、、


永瀬が手招きすると
首を傾げながらもこっちに来る平野くん。

やっぱりかわいい。けど。




紫「 どしたの？ 」


廉「 Aが紫耀と話したいって〜 」


『 は？そんなこと言ってないし 』



小声で永瀬を威嚇するけど、
そんなの知らんぷりだし。

平野くんはいつもどおり笑ってるし。




紫「 話そうよ！
今日一回も話してないしね 」


けど、平野くんを見ると、
お昼のことを思い出しちゃうんだ。



平野くんと日菜ちゃんが
仲良さそうに話してた光景が
頭から離れなくて

また、胸がズキズキする。



だから。




『 私はいいよ、
日菜ちゃんのとこ戻ったら？ 』


思ってもないことを言ってしまった。

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