プリムラ (ページ4)

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昇降口から一番近い教室が1組。
1組と2組の間には上階へ続く階段と男女トイレ、
3、4、と続き私たちの教室の5組、
その隣はもちろん6組。
6組の先にはまた階段と男女トイレがあり、
その先がお目当ての7組。

奈子を追いかけて廊下に出た瞬間、
7組の方には2クラス分くらいの人だかりが出来ているのが見えた。

その後方に奈子の背中。

内心うわぁ‥‥まじか‥‥‥と思ったものの、
奈子もいるし、
何より好奇心が私の歩くスピードをさらに速めた。

『すごい人だね』

「ね～、やっぱ考えることはみんな同じね！
全然見えない！！」

周りを見渡すと、
1年の私たちとは違う青と緑の校章をつけている人も居るから、
先輩たちもその噂を聞いて確かめに来たのだろう。

おりゃっ！おりゃっ！
と小さく変な声を出しながらジャンプする奈子がかなりツボだ。

「見えた見えた！見えたよA！
すごい！周りにいっぱい女！こりゃあすごい！」

『へえ、どんな人？』

「中島健人くんでは！ない！」

『でしょうね！』

未だにジャンプしながら彼を観察する奈子を観察する方がよっぽど面白い気がして来た。

「でもイケメン！
何がって言われると分かんないけど！イケメン！」

『へぇ～』

「待って場所変わってあげる」

奈子が私と場所を変わってくれた時、
その前に居た8人くらいの女子集団が
ごそっと居なくなった。

「お、やった、ほらほらあそこ」

私たちの教室と作りの変わらない、
廊下側に付けられた窓から教室を覗くと、

沢山の女子に囲まれ笑顔を振り撒く、
噂の彼が居た。