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「はぐれたな」
「そやね」
人波にもまれていつのまにか
しげと二人になっていた。
「何か食う？」
「皆のこと、探さんでええの？」
「んー、まぁええんちゃう」
たぶん見つけんの無理やし、なんて
はぐれたことを特に気にしてなさそうやった。
そういえば浴衣、褒めてくれたなと
ぼーっとしげの背中をみながら歩く。
その後ろ姿が遠のいていくから
反射的に手を伸ばす。
伸ばした手は彼の腕に触れた。
「悪い、歩くん早かった」
「ううん、へーき」
伸ばした手を引っ込めようとしたら
それを彼の左手が遮る。
「もう、はぐれんように…
どっか、掴んどって…ほしい」
「…ん」
遠慮がちに彼の左手をにぎると
ふわっと握り返された。
少し歩くいていると花火があがった。
「ちょっと止まる？」
「そうしよっか」
人混みを抜けて夜空を見上げる。
せやけど、
周りの歓声も
花火のきれいさも
あんまり頭に入ってこやんかった。
繋がれたままの手の意味をずっとずっと考えていたから。
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らび(プロフ) - ひかるさん» コメントありがとうございます。とっても励みになりました！頑張ります！ (2018年6月3日 20時) (
レス) id: 69089f919b (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - お話楽しみにしてます！更新嬉しいです。頑張ってください！ (2018年6月3日 17時) (レス) id: 211b81a809 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らび | 作成日時：2018年5月3日 0時
