ページ１４ ページ14
..
この声はもしかして .. ！
私は思わず、勢いよく教室へ入ってしまった。
そこには
自分の席に着いて台本を片手に持ち、１人で練習をする重岡くんの姿があった。
重岡「う、、うわあっ、！！！」
重岡くんは私に驚いて椅子から落ちてしまった
『わ、大丈夫 .. !?』
重岡「..っ、なんやねん！急に入って来んなよ！いきなりすぎるやろが！」
重岡くんはすぐに立ち上がり、制服に付いた埃を手ではらった
『ご、ごめん..』
重岡「..あのさぁ、
..なんで、そこまで俺に構うん？」
いつものような冷たい口調ではない重岡くんが新鮮だった
『何でって .. そりゃ、
大切なクラスメイトだから..』
私の言葉が意外だったのか、重岡くんは言葉を詰まらせる。
私たちの間に少しの沈黙が流れた
重岡「.. 俺、多分ここの学校のこと、馬鹿にしてたんやと思う。」
私の目を少し見た後、椅子に座り直して重岡くんは話を続けた
重岡「俺 .. 転校する前はさ、中高一貫の進学校に通ってて。..俺の親って勉強に煩いというか、そういう人やからいつも塾に籠らされててん。勉強が出来ない子は要らない、..必要ないって自分の考えを押し付けてくる。
前の学校は親の前で勉強ばっかしていい子ぶるやつばっかやった。俺みたいに前に出るタイプじゃない人間にはすれ違い様に嫌みを言ったりするやつばっかやった。
家に帰っても、学校に行っても心の居場所がないから嫌やった..。俺は要らんねや、って。入学してすぐやのに俺は大人の中で唯一俺のことを分かってくれた姉ちゃんに手伝ってもらって退学届を出した。そりゃそうやねんけど親にバレて、今からでも間に合うとこ受けなさいって怒られて来たんがこの学校やってん。どうせ、ここも..俺を受け入れへんやろうと思いながら」
重岡くんの表情は暗くて、辛かったんだということがすごく分かる。目元には薄っすらと涙が溜まっているように見えた。
重岡「..ダサいやろ？笑ってもいいねんで」
いつもの冷たい重岡くんだ
『笑わないよ..！ダサくなんかないもん』
重岡「..え？」
『辛かったよね、
子供は親に大切にされたいに決まってるもん。
私は進学校に受かるほどの今までの重岡くんの頑張りはすごいなって思うよ
それに、重岡くんのこと、私は大切だと思ってる』
重岡「..」
重岡くんは、
聞こえないくらい小さな声で、
“ありがとうな”
と呟いた .
______
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 143人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るるら - 全員見つけました！すっごく面白かったです！メンバーを皆見つけた時の達成感ハンパ無かったです(笑) (2019年11月30日 10時) (
レス) id: 3d4f0da22b (このIDを非表示/違反報告)
かりん(プロフ) - 神ななさん» コメントありがとうございます！！本気で嬉しいです！！！ヒントですが、小瀧くんはある役名で出演しております笑。続編まで希望して下さり本当にありがとうございます！！ (2019年7月7日 1時) (レス) id: eff140c8c2 (このIDを非表示/違反報告)
神なな - もんちと力士！wあれ、のんちゃんおったっけ？見直しますっ！笑笑 面白かったです！最後の�陲舛磴鵑離掘璽鵝�最高でした！ぜひ続編も！w (2019年7月3日 23時) (レス) id: 23077af701 (このIDを非表示/違反報告)
かりん(プロフ) - ゆりさん» コメントありがとうございます！！ほんっっとに嬉しいです！続編も考えたのですが、どちらと結ばれるかを読者様の想像に委ねた形で終えてみました！ (2019年6月11日 8時) (レス) id: eff140c8c2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - めっちゃ感動しました…けど最後めっちゃ悲しいです…�霤沈萓犬鳩襪个譴突澆靴�った〜！！！高校卒業後に再会したりしませんか？泣 (2019年6月10日 3時) (レス) id: 8c3e574d79 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かりん | 作成日時：2019年5月25日 18時
