Prisonerworld【小説】 (ページ15)

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奪還作戦【守】【夕凪蝶葉】ページ15

血が溢れ出てきてもはや意識も朦朧としてきた中、駆けつけてくれた二人。

動けない。動きたい。奏を説得したい。右腕が回復しても意識は朦朧としたまま。

その後シェルターから逃げ帰った頃には、外は夜。戦いの跡だけで、人は見当たらない。大体の者…私達を除けばいるべきところへ戻ったのだろう。

「瑠…架……さん…もう大丈夫…ですので…」

「大丈夫じゃねぇだろ…。」

「ほんとに大丈夫ですから…！」

無理を言って下ろしてもらう。
傷が多く、戦闘による体力や能力の消耗が身体に鉛の様に襲い二人ほぼ同時に座り込んでしまう。

「…すまねえ…アイツ…助けられなかった……」

「……瑠架さんは…悪くないです…私がもっと強くて…助けがなくても逃げれたら良かった…」

涙が溢れそうになり体が微かに震える私を宥める様に「蝶ちゃんは悪くねえよ」と頭を撫でてくれる。

少し沈黙が続き、私が口を開く。

「…明日、レボディショナルを襲撃します。…誰かに助けを求めないように、私一人で。」

「はぁっ！？いくらなんでもそんなの無茶だ…！一人で大量の数に敵うわけない…！！」

確かにそうだ。
だけど私だって隊員。湊さんは助けてくれた。そして、私の代わりに捕虜になった。ならば私もそれをやる。

「…確かに敵うわけありませんし、そんなのたかが知れてますが…少なくともやります。ガーディア側もとても疲れてるし、能力を使って動けない人も多数いるのが現状。だから私が動くしか無いんです。それに…湊さんを助けたいんです。」

「……なら、アタシもついてく。嫌とは言わせねえぞ？ミナトにゃ助けられたしな。」

仕方ないな…
気が付けば二人とも吹き出して笑っていた。
一度シェルターに戻り、第二部隊に傷の手当てをしてもらう。

一度自室へ戻り、二人で作戦を練る。

「…さて、考えたのですが、まず、夜明けにシェルターを襲撃しようと思っています。まあ、その時間帯なら起きている人は少ないでしょうから。」

「おう。んで…ミナトをどうやって助け出すんだ？きっとアイツがいるだろ？」

「はい。彼女は私が気を引きます。だからその隙に湊さんを連れて先に逃げてください。」

渋々わかったと頷く彼女。反対なのだろうが、そうしないと助け出せない。

作戦実行は朝の５時。今は夜の８時。

そして向かえた朝の５時。
瑠架さんを半ば物理的に叩き起こし←
現在はレボディショナルのシェルター目の前。

「……行きますよ。」

足を速めてシェルターへ。