恋人はママちゃん２【白】 (ページ46)

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「えっと…」

引き攣り笑いをする俺の背後に隠れながらこっそり逃げようとするしょっぴーの服を掴む。

「ラウールと翔太さんは夕食いらないっと」

夕食抜きは嫌だ！

「盗み聴きしてごめんなさい!!」

「勝手に聞いたのは悪かったけど…俺は巻き込まれただけだかんなっ？」

直ぐに謝る俺と謝りつつ言い訳をするしょっぴーをAは暫くじーっと見てから、顔を背けた。

怒ったのかと思ったけど、どう見ても肩が震えてる。

「ふふふっ、冗談。だけどもう盗み聴きは止めてね？」

恥ずかしいからと言うAに俺もしょっぴーも頷く。

「もう少ししたら夕食だから大人しくしてて」

子供に言い聞かせるみたいに言ってキッチンに戻るAを俺は追って、しょっぴーは自室の方に戻って行った。

「何か手伝うよ」

「じゃあ盛り付けたのをテーブルに運んでくれる？」

Aが皿に盛り付けた料理をテーブルに運んでいたら。

「…真都だけの前でなら歌ってもいいよ」

「え？」

隣に立った時にぽそりと呟かれた言葉に反応すれば、少し恥ずかしそうに笑っていた。

「でも前に聞いたらダメって」

「だってあの時は皆がいたでしょう？」

確かに歌声聴きたいって言った時は全員で寛いでる時だったっけ。

「真都もプロだけど…それよりも恋人、だから」

盗み聴かれるよりはいいかなってチクリと釘を刺しながら言うAを思わず抱き締める。

「真都、誰か来たら…」

「Aが可愛いから無理」

嬉しくて頬擦りしたらAは苦笑いながらも受け入れてくれる。

「早速今日のデートで聴きたいな」

「え、いきなり？」

「ダメ？」

少しだけ首を傾げて甘えるように言えば、Aは顔を背けて両手で顔を覆いプルプルと震えてる。

「可愛過ぎてズルい!!逆らえない!!」

「え〜Aの方が可愛い」

そんな俺達のイチャイチャはいつの間にか来ていた阿部ちゃんと佐久間くんの生暖かい視線に気付くまで続いたのだった。