恋人はママちゃん２【白】 (ページ32)

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ー【RAUL side】ページ32

26日、俺の誕生日前日。

相変わらず撮影が少し押しながらも終わり、後は帰るだけになった。

皆より少し遅れて楽屋に戻ると翔太くんや佐久間くん、阿部ちゃんと舘さんが既に居なかった。

「あれ？少なくない？」

「ちょっとな、それよりラウール」

「何？」

「話がしたいから、今日は俺の運転で帰るから」

照くんにそう言われて素直に頷く。

怒られるような雰囲気では無さそうだけどなんだろう？

俺はちょっと首を傾げながらも、取り敢えずメイクを落として荷物を纏める事にした。

準備が整い残りの皆で駐車場に向うと、何故かワゴンタイプのレンタカーに乗り込んだ。

運転は照くんで助手席はふっかさん、俺とめめと康二くんは後部座席に座る。

皆がシートベルトをしたのを確認してから照くんは車を発車させた。

道中はいつも通りの雑談しかしなくて。

気付けばマンションの地下駐車場に着いていた。

最奥の場所に車を止めるとふっかさんがスマホで何かを確認していた。

「照、まだ時間かかるみたい」

「了解」

そう言うと照くんは上半身をこちらに向けて口を開いた。

「ラウール、心して聞けよ？実はだな…」

「う、うん」

何を言われるのか分からず俺は自然と背筋を伸ばした。

「照、言い方が重い」

ふっかさんが苦笑いしながら言葉を引き継いた。

「今日の夜、俺達外泊するからラウールはママちゃんと２人で誕生日過ごしな」

明日の昼までしか過ごせないけどな、と付け足すふっかさんの言葉が理解出来ずキョトンとしてしまった。

「付き合って初めての誕生日やん？せっかくなら２人きりにしたげようってふっかさんが」

「それ言わなくていいから」

康二くんの言葉にふっかさんが照れたように笑った。

「俺達からの誕生日プレゼント第二弾」

めめが優しげな表情でそう言ってくれて、漸く俺の頭が追いついた。