お部屋デート【RAUL side】 ページ25
夜の寛ぐ時間帯。
それは俺とAの貴重なデート時間。
今日は順番的に俺の部屋だから、Aの仕事が終わるまで課題をしながら時間を潰す。
でも今日はちょっと遅いかも？
時計をちらっと見たら23時近くて。
明日の仕事を考えると余り話せないかも…なんて考えていたらドアをノックする音がした。
「は〜い」
「遅くなってごめんね、入っていい？」
「うん」
俺の返事を聞いてドアを開けてAが入ってきた。
「明日の朝早いから仕込みしてたら遅くなっちゃった」
お詫びにとクッキーとコーヒーを持ってきてくれたAはサイドテーブルにそれを置いて定位置になりつつある床に敷かれたラグに腰を降ろす。
俺も勉強机から離れるとAの隣に座る。
「お疲れ様」
「真都もお疲れ様」
労いの声を掛ければAも返してくれながら頭を撫でてくれる。
こんな少しの事なのに嬉しくて仕方無くなるんだよね。
「えへへ」
「どうしたの？」
突然笑いだした俺にAは不思議そうに首を傾げる。
「Aに撫でられるの好き」
「ふふっ…ありがとう」
「もっと撫でて？」
そう言いながら俺は体を横にしてAの膝に頭を乗せる。
Aはちょっとびっくりした顔をしたけど、直ぐに優しく微笑むとそっと髪を梳くように頭を撫でてくれた。
Aの手は暖かくて触れられると凄く気持ちいいんだよね。
撫でてくれているのと反対の手を握ったんだけど直ぐに離された。
「手、荒れてるから」
「触ると痛い？」
「痛くはないけど…」
「じゃあ触りたい」
じーっと上目遣いで見つめれば、Aは顔を両手で覆った。
「その顔は卑怯だ!!」
「何が？」
手を伸ばしてその両手を包んで顔から離させ、更にじっと見つめたら。
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作者名：氷那 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HAK/
作成日時：2022年6月9日 3時
