恋人はママちゃん２【白】 (ページ15)

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お祝い会【貴女 side】ページ15

歓迎会の時のようにリビングに買ってきた夕飯と飲み物を運んで、こないだと同じ配置で座る。

なんとなくこれが定位置になるのかな？

「それでは、ラウールとママちゃんのお付き合いを祝って」

『乾杯〜』

結婚式の挨拶みたいなふっかさんの言葉に合わせて乾杯をする。

「ありがとう、ございます…」

恥ずかしいけど祝って貰えるのは嬉しいから小さめの声でお礼を言う。

皆それぞれ食べ物に手を伸ばしてるのを微笑ましく見守っていたらラウールが顔を覗き込んできた。

「Aさん、食べないの？これ食べる？」

ラウールが持っていた唐揚げ串を目の前に差し出してくれたから受け取ろうしたんだけど。

「はい、あ〜ん」

そう言いながら口元に寄せてくる。

いや、人前でそれは無理。

躊躇う私に阿部ちゃんが小さく笑いながら声を掛けてきた。

「俺達そう言うのあんま抵抗ないから気にしなくていいよ、ほら」

阿部ちゃんが指す先では康二くんが身を乗り出してめめくんのアメリカンドッグに齧りついていた。

本当に皆仲がいいんだね、でも…。

ちらりとラウールを見ればニコニコしながらまだ口元に寄せてくる。

「…いただきます」

観念して唐揚げを一つ口にする。

ん、ちょっと冷めてるけど美味しい。

ラウールも唐揚げを口にして嬉しそうに笑ってる。

ラウールって唐揚げ好きだよね。

「間接キスだね」

私にだけ聞こえる声で言うラウールに私は顔が赤くなるのを感じて少しだけ俯く。

「可愛い」

ギュッと抱き締めてくるラウールを頑張って押し返す。

「人前だからダメ」

「え〜」

ああ、もう、頬を膨らませて拗ねるの可愛すぎるんだけど。

「ママちゃんは結構照れ屋さんなんだね」

ふっかさんが微笑ましい眼差しを向けて来た。