恋人はママちゃん２【白】 (ページ12)

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ただいまとおかえり【貴女 side】ページ12

私の車は後日取りに来る事にして、さっくんの車でマンションに戻る。

後部座席に座っててもラウールはずっと私の手を握り締めてて、嬉しいような恥ずかしいような気分だったけど。

着いた途端に待ち構えているであろう説教を思い出して気分が落ち込む。

自業自得なのは分かってるけど、照さんの説教絶対怖い気がする。

私の緊張が伝わったのかラウールが握った手に少しだけ力を込めた。

「大丈夫、俺が側に居るから」

「ラウール…」

見つめ合う私達にさっくんが冷静に声をかけてくる。

「とりま遅くなればなる程厳しくなるから行くよ」

『は〜い』

大きい鞄はラウールが持ってくれたから私はショルダーバッグだけを持って、さっくんを先頭に部屋へと向かう。

「ただいま〜家出娘がご帰宅だよ〜」

玄関を開けたさっくんの声にリビングの方から皆がやってきた。

私は咄嗟にラウールの背後に隠れる。

深呼吸をして気持ちを落ち着けてから恐る恐るラウールの後ろから顔を覗かせれば、当然だけど皆が私を見ていた。

「おかえり」

舘さんが何も無かったかの様に微笑みながら言ってくれた。

「ただいま…？」

「グハハッ、何で疑問形？普通にただいまでいいだろ、おかえり」

変な笑い声を上げながら翔太さんもおかえりと言ってくれる。

「おかえりなさい、何事も無くて良かった」

「本当だよね〜あ、おかえり」

無事を喜んでくれる阿部ちゃんやふっかさんにちょっと安堵してラウールの背後から出ると頭を下げる。

「勝手に出て行ってすみません、ご心配をおかけしました！」

「…Aさん、おかえり」

低い声にビクッとしつつそっと顔を上げれば照さんが鋭い眼差しを向けて来ていた。