『ふっか姫物語』阿部ノ翁とお康と5人の貴公子〜帝を添えて〜 (ページ9)

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深「まあ、でも時間が解決してくれたのか迎えが来るって連絡がきたんだよね」

向「そんな…もうふっか姫と会えなくなるん？」

お康の目が一気に潤み、他の人達も暗い表情を浮かべます。

深「月に帰ったらもうここには…」

向「いやや、ふっか姫と離れるなんて出来ひん！」

とうとう泣き出したお康はふっか姫に抱き着き、そんなお康の頭をふっか姫も悲しげな顔で撫でました。

そんな中、５人の求婚者とはまた違った…く、黒い表情を浮かべた阿部丿翁と帝が顔を突き合わせ何か話をしていました。

ねえ、慎太郎、代わってよ！

『やだよ、怖すぎて俺には無理！』

う〜…何でこんな時に樹いねーんだよ…。

阿「ねぇ、髙地。そろそろナレーション再開してよ」

あ、ごめんね、阿部ちゃん。

暫く2人で話し合い、纏まったのか阿部丿翁と帝は顔を上げました。

阿「さて、と。ねぇ、ふっか姫は月に帰りたい？」

深「え…それは…」

ふっか姫は少し視線を彷徨わせると困ったように笑いました。

ラ「素直に言って？帰りたい？それとも俺といたい？」

阿「さり気なく告白しないでくれる？」

ラ「チッ。まあ、いいや。帰りたいか帰りたくないかどっち？」

イケメンな帝にじっと見つめられちょっと頰を染めたふっか姫は小さく答えました。