恋人はママちゃん【白】 (ページ38)

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「ちゃんと謝って許して貰えたんだよね？その事に関しては照さんも気にするなって言ってたし反省したならもう気にしなくていいんじゃないかな？」

「え？」

キョトンとするラウールに私は言葉を続ける。

「だって謝って来た相手を許したのに相手がずっと気にして態度に出たりしてたら気まずいでしょう？私なら気まずいし普段の態度取ってって思う」

見上げてくるラウールの頭をそっと撫でる。

「芸能界はそれじゃダメなのかもしれないけど、それでもラウールがちゃんと反省して同じ行動を繰り返さない事の方が大事なんじゃないかな」

それが出来る子だってふっかさんも言ってた事を伝えたら、ラウールの大きな瞳から涙が一筋流れた。

私はラウールに一歩近寄るとその頭を抱え込むように胸元に引き寄せた。

ラウールはビクッとしたけど私はそのまま優しく頭を撫でた。

「ラウールはしっかりしてて頑張り屋で、学業と仕事をちゃんと両立してる偉い子だよ」

少しでもいいからラウールの気持ちを軽くしてあげたくて声を掛け続ける。

「ちゃんと周りを見て行動出来るし、カッコよくて時々可愛くて皆に愛されてる」

ちょっと支離滅裂かもしれないけど伝えたい事は言えたかな。

「だから絶対大丈夫だよ、私も応援してる」

役には立たないけどね、とちょっと戯けて言ったら腰の辺りに腕が回された。

ラウールが顔を上げる気配に私は少し体を離した。

腕の中から見上げて来たラウールはさっきまでとは違い吹っ切れたような表情を浮かべていた。

「Aさんは凄く俺を助けてくれてるよ、美味しいご飯作ってくれたりワガママ聞いてくれたり…だから役には立たないなんて言わないで」

「ラウール…ありがとう」

微笑めばラウールも笑顔を浮かべてくれた。

ああ…私が見たかったラウールの笑顔だ。