恋人はママちゃん【白】 (ページ24)

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ぬいぐるみ【貴女 side】ページ24

ある日の夜。

リビングには何人かが集まってお話してるみたい。

夕食の後片付けも終わったし私もそろそろ部屋に戻ろうかな。

基本的に時間指定がない仕事だからやる事が終われば早目に部屋に引っ込んでも問題はない。

必要になれば(おやつが欲しい等)声掛けられるし、皆さん気を使ってくれるのか22時以降は余程で無ければ呼び出しもない。

私はエプロンを外すと手に持ちリビングに向う。

ヒョコと覗けば阿部ちゃんやさっくん、めめくんやラウールがいた。

「あ、ママちゃんだ！」

ラウールが直ぐに気付いて手を振ってくれる。

振り返しながら私は皆さんに挨拶をする。

「そろそろ部屋に戻るので用事があったら…」

「あ、Aさん、この後予定ある？」

挨拶を遮り阿部ちゃんがそう尋ねてきた。

「いえ、テレビでも見ようかと思ってるだけですが」

「じゃあ、丁度いいからクイズしない？」

阿部ちゃんがスマホを翳しながら誘ってくれる。

以前した約束を忘れずにいてくれた事が嬉しくて直ぐに頷いた。

「是非！エプロン置いてきますね！」

私は急いで部屋にエプロンを置いてからリビングに戻った。

他の皆さんも参加するみたいでテーブルを囲んでソファや椅子に座り、いつの間にか準備された飲み物が置かれていた。

「ママちゃん、こっち」

ソファの真ん中が空いていてラウールが手招きしてくれる。

…何故いつもラウールとめめくんとの間なんだろう？

そう思いながらも誘われたからと２人の間に座る。

「クイズ楽しみだね、ママちゃん」

「うん、負けないからね！」

俺だって、とガッツポーズを取るラウールが可愛くてつい笑ってしまった。

阿部ちゃん主催だからってクイズは阿部ちゃんが出す事になった。

阿部ちゃんと対決出来ないのはちょっと残念かな。

「問題！」

アプリを使ったクイズは意外と白熱して、動物問題はさっくんがスポーツ問題はめめくんが、学力問題はラウールが得意みたいで中々いい勝負になっていた。

「茶室の壁面に設けられた狭い入口を…」

「はい！躙口！」

「Aさん、正確！」

私だって雑学問題は負けないもんね！

そんな感じで遊んでいたら玄関の方がちょっと騒がしくなった。