恋人はママちゃん【白】 (ページ14)

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「えっ？」

その声に振り返れば岩本さんが真面目な雰囲気で私を見つめていた。

「俺等はどうしても不規則な生活だから、朝晩の食事がきちんと食べれたり綺麗なリビングで寛げたりするのは凄く助かってます。ありがとうございます」

そう言いながらくしゃっとした笑顔を向けてくれた。

確かに最近は皆さんが心地良く過ごせてるかなとかちゃんと食べてるか気になったりはするけど、仕事なんだし当然の事なのに。

そんな風に思って貰えてたなんて…どうしよう、凄く嬉しい。

何だか鼻の奥がツンとしてきたかも…。

「あ、照くんがAさん泣かせた！」

「え!?」

言われて慌てて顔に手をやればもう既に泣いちゃってたみたい。

急いで拭ってたら後ろからラウールさんにギュッと抱きしめられた。

さっきまで向こうでわちゃわちゃと話に交ざっていたはずなのに私が泣いたのに気付いて来てくれたみたいなんだけど。

抱きしめる必要ある!?びっくりして涙引っ込んだよ!!

「照くんがイジメた〜」

「おまっ、話聞いてないだろっ」

「ラウール、余計な事言わない。照も落ち着けって」

パニックになりかけたけどそれより深澤さんに宥められながらもパニックに陥ってる岩本さんに気付いて私は慌てて謝る。

「ごめんなさい、岩本さんに言われて嬉しくて」

何となく岩本さんにはずっと警戒されてた気がしていて、でも今認められた気がして嬉しくて泣いてしまったと伝えれば、岩本さんはちょっとバツの悪そうな顔で頭を掻いた。