恋人はママちゃん【白】 (ページ11)

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雑談【RYOHEI side】ページ11

皆と食事を楽しみながらAさんも楽しんでいるかちらりと確認すれば、必ずと言っていい程ラウールの嬉しそうな顔も飛び込んでくる。

隣に座ってるから当然と言えば当然なんだけどね。

それに気付いてから観察してみればラウールは食べるかAさんを見るしかしてない。

これではまだ無自覚なだけで端からみれば『恋』してるそのもの、ラウールが否定した所で誰も信じないだろうね。

「阿部ちゃん、阿部ちゃん」

俺を呼ぶ佐久間の声で思考が止められた。

「何？」

「Aさん、クイズ好きなんだって」

観察に夢中で話聞いてなかった、クイズと聞いたら交ざらないとね。

「そうなんですか、因みに番組とか見ます？」

「クイズ番組は大抵見てます、だから最初お会いした時に阿部さんに見覚えあったんです」

そう言ってAさんが微笑んだ。

俺の事を認識してくれてたのは正直嬉しい。

だけどさ、ラウールの表情がもう…。

拗ねた時の顔そのもので俺を見ないでよ。

「他の皆に見覚えとかは？」

ふっかの質問にクイズの話題から道が外れた、まだしたかったんだけどな。

「そうですね…アニメの番組で佐久間さんを見たような？」

「え、アニメ好きなの!?」

今日一佐久間がはしゃいだ声を上げる。

あ〜もう、ラウール次は佐久間睨んじゃってるよ。

そう言う所がまだまだ子供だなぁ。

「マニアックですけどね、声優さんも好きです」

そこまで言ってAさんは思い出したようにラウールを見上げた。