お出かけ【貴女 side】 ページ33
「どっか出掛けたい!」
夜のまったりと寛ぐ時間に突然ラウールが叫んだ。
今日は皆さん用事があるようでリビングにはテレビゲームをするふっかさんとさっくんと私と、叫ぶラウールが居た。
うん、今日はテレビゲームに誘われたので参戦してました。
某キャラが車で競争するゲームをしていたんだけど、ちょっと飽きてきたのかラウールがコントローラーをテーブルに置いてソファに倒れ込みながらそう叫んでいた。
「どっかって?」
手を止めて聞くふっかさんにラウールは顔だけこちらに向けて呟く。
「どこでもいいんだけどさ…外の空気吸いたい」
ちょっと拗ねて口を尖らしてるのが子供みたいで可愛い。
「でももう夜だし今からじゃ遠出もなぁ…」
さっくんが少し悩みながら答えるとラウールは尚も言い募る。
「近場でいいからどっか行きたいの!」
そう言うラウールに私はふと思いついてある提案をした。
「ちょっとだけ遠いんだけど散歩にいい高台があるから行ってみる?」
「行く!」
起き上がり二つ返事をするラウールに対しふっかさんがテレビに顔を戻しながら口を開いた。
「俺は佐久間との決着付けないといけないからパス」
「俺もふっかボコらないといけないからパス」
さっくんもコントローラーを構えてテレビ画面に目を向ける。
「ママちゃんいるし大丈夫だろうけど、余り遅くならないようにな〜」
こちらを見ないままヒラヒラと手を振るふっかさんに私とラウールは顔を見合わせる。
「じゃあ、お姉さんとデートしよっか?」
「え!?」
「ふふっ、冗談。じゃあ準備して駐車場で待ちあわせね」
私はそう言うと準備の為に自分の部屋に向かった。
「ママちゃん罪作りだなぁ…」
「マジで死にそう…」
「ラウール、気を確かに!誰か、AEDを!!」
背後でそんな寸劇が繰り広げられてる事なんて私の知る由もなかった。
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作者名:氷那 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HAK/
作成日時:2022年5月10日 4時