最年長の気になる子は最年少のお姉ちゃん【紫】 (ページ5)

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「あの…良かったら、お客様のお名前伺ってもいいですか？」

Aさんが恐る恐る尋ねてくれた、それって名前気になる位には興味持ってくれたんだよね？

でも…。

「俺は、ふかさわって言います」

ちょっとだけ嘘をついた。

いや、自惚れとかじゃなくて万が一ね。

顔とかバレた時にお店とかに迷惑掛けたくないからさ。

けどあからさまに違う名前も何か嫌だし、って考えた結果が『ざわ』じゃなくて『さわ』に変えるだけって言うね。

「ふかさわさん…今日はどのお花にしますか？」

「あ、えっと…」

ちょっと通い過ぎたから花瓶パンパンなんだよな…と思いながら見回せば、変わった色のバラを見つけた。

「これって」

「ああ、それは人工着色した花で通称レインボーローズって言うんです」

「レインボーローズ!?」

舘さん家のインコの名前じゃん、面白っ！

「これください」

舘さんにあげたら喜びそうじゃね？わら

「はい、ありがとうございます」

まだ完全には開いていないバラを数本包んで貰う。

支払いを済ませて挨拶をして店を出る。

名前も聞けたし、ちょっとは近付けたんじゃないかなと俺は浮かれながら帰宅した。