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「その辺は話し合うしか無いんじゃね？」
「だよなぁ…」
俺の呟きに翔太は吹き出す。
「ふっか、認めてんじゃん」
「え？あ…」
翔太と話していて、俺のAさんへの気持ちを認めている発言をしていた事に気付いて顔が熱くなるのを感じた。
「いいんじゃねぇの、たまには我を通しても」
「ん…あんがとね、翔太」
普段はツンツンの癖に本当に悩んでる時はしっかり背中押してくれる。
「素直なふっかキモっ」
「おぉい！せっかく感動してたのに落すなよ！」
全く…茶化すのも照れ臭いからなの分かってんだからな。
翔太と話をして、自分の気持ちを再確認した。
初めて会った時からAさんに惹かれてて、きっと本当はもう好きになってた。
ラウールの大事なお姉さんと知って諦めようと思ったけど、翔太に背中を押されて覚悟を決めた。
Aさんに告白すると決めた今、問題はいつこの覚悟を皆に…ラウールに言うか、だ。
後にすればする程言い辛くなるし、いっそ今日言うべきか。
ゲーム画面を見るフリをしつつ、続々と集まるメンバーをチラ見していたら。
「おはようございます！」
ラウールが楽屋に姿を現した。
「おはよう、ラウール」
ちょっと緊張しつつ挨拶を返したんだけど、ラウールは一瞬目を合わせたかと思えばプイッと顔を背け荷物を置きに向かった。
「え…？」
思いも寄らない不機嫌そうな態度に頭の中に疑問符が浮かぶ。
まだ何もしてないのに、俺ラウールの機嫌損ねる事したっけ？
「およよ？ラウってば反抗期？」
何も知らない佐久間が茶々を入れて来るとラウールは少しだけこちらを見た。
「別に…」
明らかに拗ねた表情のラウールに周りも少し困惑している。
「ふっか、今度は何したの」
「いやいやいや、今日はまだ何もしてないよ!?」
「これから何かする予定あんの？」
照が呆れたように笑いながらからかって来るからついいつものノリで返せば皆は笑ってくれた…ラウール以外は。
「これってマジやない？」
「う〜ん…」
いつもと違う様子に康二やめめも首を傾げている。
そんな中でラウールは側に来ると、意を決したように俺を真っ直ぐに見てきた。
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作者名：氷那 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HAK/
作成日時：2023年1月11日 2時
