恋人はママちゃん５【白】 (ページ7)

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「はいはい、漫才はそこまでにして。具体的には当日に手伝えばいい？」

「んにゃ、出来たら一回位は練習したいんだけど…」

ここで練習したら確実に匂いとかでバレるよね…どうしようかな。

少し考えた私はある場所を思い付いた。

「ちょっと待ってね」

私はスマホを取り出しメール画面を開くと、今から電話出来ないかとメールを打った。

「ねぇ、嫌な予感しかしないんだけど」

私が気軽に連絡を取る相手が浮かんでいるのかラウールが苦虫を噛み潰したような表情をして、さっくんは訳も分からず首を傾げていた。

『〜♪』

着信音が鳴り響き、画面に表示された名前にラウールはやっぱりと言った表情をしていた。

「もしもし、今大丈夫？」

『Yeah、またラウールと喧嘩した？』

スピーカーモードにして出れば電話の相手…ジェスの楽しそうな声が聞こえてきた。

「喧嘩なんかしてないし」

『HAHAHA、冗談だって』

拗ねたようなラウールにジェスは相変わらずの明るい笑い声を上げる。

「ジェス、ラウールからかわないの。それより、ちょっとお願いがあるんだけど」

「何？」

「さっくんと料理の試作したいから台所貸して欲しいの」

先程の話をジェスに説明したら、ジェスは少し考えてからOKの返事をくれた。

「時間が合うならいいよ」

「勿論！ありがと、ジェシー！」

さっくんが声を掛ければジェシーはちょっと驚いた声を上げた。

「佐久間くん居たんだね、じゃあ後で佐久間くんの予定教えて」

「了解であります！」

敬礼しながら言うさっくんが想像ついたのかジェスは大笑いして電話を切った。

「んじゃ、日時決まったら教えるから。お邪魔しました」

そう言い残してさっくんは風のように去って行った。

そして…。

デートを邪魔され、私がジェスに頼った事に拗ね拗ねモードの風船ラウールが残されました。

次の日、さっくんが決まった予定を教えてくれたんだけど生憎の平日の昼間で。

仕方ない事だけどラウールは学校があって最初からは参加出来ない。

それに関してまた拗そうになったけど学校が終わったら即ジェスの家に来ればいいと諭して、さっくんがジェスを見張ると言う事で何とか丸く収まった。

「ママちゃん愛されてるね〜」

「…からかうなら手伝わないよ？」

「ごめんなさい」

腰を綺麗に90度に曲げた謝罪を受けました。