恋人はママちゃん５【白】 (ページ6)

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調理指導【貴女 side】ページ6

「ママちゃん、お願い！料理作るの手伝って！」

ラウールの部屋でデート中。

ドアがノックされたからラウールが開けたらさっくんが居て、入って来たかと思うと開口一番そう頭を下げてきた。

「理由聞いてもいい？」

デートを邪魔されて拗ねてるラウールを宥めつつそう尋ねれば、さっくんは少し言いにくそうに答えた。

「その…もうすぐ阿部ちゃんの誕生日じゃん？俺どうしても阿部ちゃんに特別なプレゼントしたいの」

何でも以前バラエティに出る時に阿部ちゃんに的確なアドバイスを貰ったからそのお礼をしたいらしい。

「何かお礼するって言ったんだけど『メンバーなんだから気にしないで』って言われちゃうんだよね」

「それで料理と何の関係があるの？」

私をバックハグしながら問い掛けるラウールにさっくんはポケットから紙を出しながら答える。

「誕生日に阿部ちゃんの好きな料理を夕食に作れば、食べてくれるかなって思ってさ」

どうやら紙にはレシピが書いてあるようでさっくんはちょっと難しい顔をしている。

「阿部ちゃんの好物って確か…」

「阿部ちゃんのお母さんの作ったカレー」

お母さんが作ったカレーって事は、独自のレシピって事なのかな？

「一応阿部ちゃんのお母さんにお願いしてレシピ貰ったんだけど、俺一人でやれる自信が無くて…」

さっくんが差し出して来た紙を受け取りざっと目を通したんだけど、普段料理を作る人なら特に難しいと言う感じはしない。

でも料理が苦手だと難しく見えるのかな。

「ママちゃん、ダメ？」

「いいに決まってるよ、私で良ければ手伝わせて」

さっくんの阿部ちゃんにお礼をしたいって言う気持ちを無下にしたくないからね。

「俺も付き合う、いいでしょ？」

私とさっくんを２人きりにさせたくないのかラウールが前のめりでさっくんに言えば、さっくんは満面の笑みで頷く。

「もち、でもラウールは試食係な」

俺からのお礼なんだからと胸を張るさっくんに私はいいのかとラウールがツッコミ、痛い所を突かれたさっくんは大袈裟にその場に倒れた。