子守り 7日目【貴女 side】 ページ3
朝、キッチンに向かう前に申し訳無いと思いつつリビングを覗いたら姫が自分の布団ではなくさっくんと康二くんの間に寝ていた。
少し乱れた荷物と減ったお茶に夜泣きしたんだろうなと予想がついた。
取り敢えず姫も皆もまだ寝ているのでそのまま踵を返してキッチンに行って朝食を作り出す。
流石に夜泣き対応で疲れたのか、朝食の出来上がりが近付いても誰も起きて来ない。
心配になってリビングに行けば阿部ちゃんが布団に座りぼーっとしていた。
「おはよう、時間だけど皆起きれそう?」
「あ…うん、おはよう。起こす」
リビング入口から声を掛ければ気付いた阿部ちゃんが私に挨拶をしつつ舘さんに声を掛けた。
「舘さん、時間だって。照も起きて」
「ん…ふっか、ラウール、起きて」
目覚めた舘さんと手分けして皆を起こしてくれる中、気配を感じたのか姫が小さく泣き始めた。
「ふえぇ…」
「ん?お腹空いた?」
泣き声に反応してさっくんがガバっと起き上がると姫を抱っこしてくれた。
「さっくん、姫預かるよ」
「あ、ママちゃん。宜しく」
さっくんはちょっとフワフワとした感じで立ち上がると私の腕に姫を乗せてくれた。
「朝食は出来てるから準備したら来てね」
そう声を掛けて、私はグズる姫を連れてキッチンに戻った。
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作者名:氷那 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HAK/
作成日時:2022年11月22日 0時