恋人はママちゃん５【白】 (ページ19)

今日:2 hit、昨日:8 hit、合計:28,171 hit

ー【貴女 side】ページ19

少しだけイチャついてから、ママちゃんを抱きしめながらラウールと雑談していたら。

ママちゃんの首に巻かれたリボンに何かが付いているのに気付いた。

「鍵？」

見ればそれは部屋の鍵のように見えた。

「それね、俺の部屋の合鍵」

マイトを抱き枕にしながらベッドで寝そべるラウールがちょっと得意気な顔で教えてくれた。

シェアハウスだから一応各部屋に鍵を掛けれるようになっている。

プライバシーを保つと共に万が一泥棒とかが入った時に防げるように。

ほら、皆の部屋は高価な持ち物だらけだからね。

そんな部屋の鍵をママちゃんに付けてる意味が分からず首を傾げる私にラウールは応える。

「いつでも俺の部屋にAが入れるように」

「え…でも…」

それって防犯的にまずくない？と思う私にラウールはニコニコと笑う。

「俺は別に見られたりして困る物ないし」

「うっ…」

見られたくない物だらけな私にその言葉が突き刺さる。

胸を押さえながら倒れ込めばラウールは甲高い声で楽しそうに笑った。

「それは冗談として、俺なりの誓いみたい感じかな？」

倒れた私の頭を優しく撫でながらラウールは言葉を続ける。

「Aになら鍵の管理任せてもいいって」

つまりは私を信頼しているって事なのだと気付いた私はラウールにぎゅっと抱き着いた。

「ありがとう」

「どう致しまして」

抱き返してくれるラウールの腕の中で、私も合鍵を渡せるように見られたくない物が入っているクローゼットや本棚用の鍵を買って来ようと心に決めた。