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「うわっ」
一口食べた翔太さんのお約束が出て、他の皆も口々に美味しいと称賛する。
そんな中、さっくんは黙ったまま阿部ちゃんをじっと見つめていた。
「…佐久間、そんなに見られると食べ辛いから」
苦笑いする阿部ちゃんにさっくんが慌てて目を逸らす。
「ごめんっ」
そう謝りながらもさっくんは自分のカレーを突きつつちらりと阿部ちゃんを見てる。
「ん？…うん、美味しい」
阿部ちゃんちのレシピだと気付いたであろう阿部ちゃんの感想にさっくんは心から嬉しいって顔をしてから私を見てウィンクしてきた。
私は口パクで『良かったね』と伝えてカレーを口に運ぶ。
うん、こないだと同じく美味しく出来てる。
「いつもと味が違うね」
そう言いながら私を見るめめくんにさっくんがドヤ顔で答える。
「今日は俺が作ったかんな」
「え、大丈夫？」
スプーンを止め心配そうにカレーを見る照さんにさっくんが大袈裟にツッコむ。
「失礼だな、ちゃんとママちゃんに指導して貰ったから！」
「なら安心だな」
翔太さんの言葉に翔太さんとさっくん以外の皆が頷くからさっくんがちょっと拗ねていた。
「佐久間」
「ん？」
阿部ちゃんの呼び掛けにさっくんが振り向くと、阿部ちゃんはとても柔らかく微笑んでいた。
「俺の誕生日だからわざわざ家のカレー作ってくれたんだよね」
ちゃんとカレーの意図に気付いていた阿部ちゃんの言葉にさっくんがちょっと照れながら答える。
「ほら、いつも世話になってるのに阿部ちゃんお礼受け取ってくんないからさ。お礼を兼ねて作ったら喜んでくれるかなって」
「うん、凄く嬉しかったよ。ありがとう、佐久間」
阿部ちゃんの言葉に嬉しそうな微笑むさっくんを皆が微笑ましく見守っていた。
《オマケ》
「よし、じゃあめめの誕生日には俺が好物作ったるから！」
「え、納豆ご飯？」
「いや、それは勘弁してや〜」
「俺、その日は外食するね」
「舘さん、私もご一緒していい？」
「Aさん、納豆嫌いなんだ…気をつけよ」
ーーーーーーーーーー
阿部ちゃんお誕生日おめでとうございます！
思っていたより話が逸れて、阿部ちゃんよりさっくんの出番が多いですが一応阿部ちゃん誕生日記念のお話です。
そして彼氏VS幼馴染設定が気に入ってしまいついジェシーくんと慎太郎くんを出してしまいました、すみません(笑)
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作者名：氷那 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HAK/
作成日時：2022年11月22日 0時
