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深澤の言葉に向井の顔が見る見る間に赤く染まって行く。
言葉にしないもののそれが答えだと言っているようなものだった。
「康二…」
目黒の呼びかけにビクリと体を震わせた向井は隠すように掴んでいた深澤の胸元に顔を埋める。
そんな向井の背中を安心させるように優しく叩きながら深澤は向井に囁きかける。
「大丈夫、お前は間違ってないよ」
跳ねるように顔を上げる向井の額にも深澤は軽く唇を当てる。
「ふっかさんっ」
「キスの意味、説明は康二に任せた」
慌てた声を上げる目黒に深澤はニヤリと笑いそう言うと向井の体を押し付けてさっさと楽屋の方へと歩きだした。
深澤の足音が完全に聞こえなくなってから目黒は自分が押し付けられた反射で向井を抱き締めている事に気付いた。
片や向井は混乱しているのかただ深澤が消えた方を見つめていた。
それが少し気に入らなかった目黒は腕に力を込める。
「へっ?」
体に感じた負荷に向井の意識は廊下から自分を抱き締めている目黒へと移動した。
「め、め…」
瞬間向かい合って抱き合っている現状を理解した向井が焦り出す。
腕の中でわたわたし出す向井に目黒は思わず噴き出す。
「なんで笑うん?」
「康二焦り過ぎ。さっきふっかさんが言ってたキスの意味って何?」
目黒が普段と変わらない声で問い掛けてくる事に安心したのか向井も落ち着きを取り戻しそれに答える。
「さっきな、楽屋でふっかさんが面白いイラスト見つけててん」
普段通りのテンションで説明を始める向井を優しい眼差しで目黒が見つめる。
「ほんで、額にするんが祝福と友情で〜」
「…ああ、だからか」
深澤の謎の行動の意味を理解し目黒が向井に気付かれないように呟く。
「掌が懇願で手首が欲望やった…かな?」
意味逆やったか?と首を傾げる向井の左手を目黒が徐に掴む。
「めめ?」
不思議そうに見上げてはくるものの抵抗はしない向井に目黒は妖艶な笑みを浮かべ、その掌に唇を寄せた。
「っ!?」
チュッとリップ音をさせて唇を離した目黒はそのまま手首にも口付ける。
「康二…」
緊張からなのかやや掠れた声が妙に色っぽく、魅了された向井はただその行動を凝視していた。
「掌が懇願で手首が欲望だっけ?」
手首に唇を触れさせながら確認してくる目黒に向井は頷く。
「康二、俺もしていい?」
何をと言いかけた向井の言葉はそのまま飲み込まされた。
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氷那(プロフ) - sm推しさん» sm推し様、こんにちはです。 リクエスト頂きました小説を此方とは別の置き場の方に上げさせて頂きました。 お手数ではございますがその他CPの方でご覧ください。 (2022年5月31日 17時) (レス) id: 32e168989e (このIDを非表示/違反報告)
氷那(プロフ) - sm推しさん» sm推し様、初めまして、コメント有難うございます! このような拙い小説のファンと言って頂けてとても嬉しいです(^^) リクエストのしょっぴー寵愛ですが、メンバーとしてなのかBLとしてかで内容が変わってきますので宜しければ希望を教えて頂けますと有り難いです! (2022年5月20日 23時) (レス) @page15 id: 32e168989e (このIDを非表示/違反報告)
sm推し - 初めまして(^^♪。リクエストしても大丈夫ですか?スノのしょっぴーがメンバーに寵愛されるお話が読みたいです!これからもファンとして陰ながら応援していますので無理なさらずに頑張って下さい(^^♪。大好きです♡ (2022年5月20日 21時) (レス) id: 944bdeebdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷那 | 作成日時:2022年5月7日 22時