ー【だてなべ編】 ページ49
「おはよう」
宮舘が楽屋のドアを開けると、そこには渡辺だけがソファに座りスマホを弄っていた。
「おはよ」
宮舘に気付いた渡辺はスマホから顔をあげると挨拶を返す。
「珍しいね、翔太だけなんだ?」
「康二と目黒とラウールも来てるけど時間まで散歩行ってくるって」
スマホに視線を戻しながら宮舘の疑問に答える渡辺。
成程、と呟いてから宮舘は荷物を近くの机に置いて渡辺の隣に腰を降ろした。
渡辺はそれに気付き、ちらりと宮舘を見る。
「ん?」
視線に気付いて微笑む宮舘に渡辺は何かが気になったのか珍しく宮舘の顔をじっと見つめた。
「何か違う匂いする」
そう言うと渡辺は宮舘の肩の辺りに顔を寄せて匂いを嗅いだ。
「…っ」
余り無い渡辺の行動に一瞬宮舘が体を硬直させたが、直ぐに気持ちを落ち着かせ渡辺の様子を観察する。
「何か香ばしいような?」
「ああ、朝レインボーローズと遊んだからその匂いかも」
少し時間があったからレインボーローズを肩に乗せていたと言う宮舘に渡辺は納得したように体を離した。
「何か不満そうだね」
「別に」
本人は真顔で否定をするが長年一緒にいる宮舘には拗ねているように見えていた。
「…皆みたいに恋人吸いしたかった?」
「なっ、まだ恋人じゃねーしっ!!」
気持ちを見透かされて動揺したのか余計な言葉が付いていたのに気付かず反論する渡辺を宮舘は優しく見つめた。
「そうだね、まだ恋人じゃないから…幼馴染吸い?」
クスリと笑いながら宮舘は顔を赤くしながら睨みつけてくる渡辺の首元に顔を寄せて、深く息を吸い込んだ。
「うん、いつもの翔太の匂い」
そう言って体を離すと宮舘は一度立ち上がり上着を脱いでラックに掛けてから、再び渡辺の隣に座った。
「はい、どうぞ」
「な、何が!?」
「今なら誰も居ないから、幼馴染吸い出来るよ?」
宮舘のほんの少しだけからかうような声色に渡辺は顔を真っ赤に染めた。
そして少し考えた後、誘惑に勝てなかった渡辺はゆっくりと宮舘の肩口に顔を近付けて深呼吸をした。
「今度は涼太の匂いがする」
素直に笑いながらそう言う渡辺の頭を宮舘は優しく撫でる。
渡辺も気持ち良さげにそのまま撫でられていた。
まだ幼馴染な2人のほんわかした雰囲気は末っ子トリオの帰宅まで続いたのだった。
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氷那(プロフ) - sm推しさん» sm推し様、こんにちはです。 リクエスト頂きました小説を此方とは別の置き場の方に上げさせて頂きました。 お手数ではございますがその他CPの方でご覧ください。 (2022年5月31日 17時) (レス) id: 32e168989e (このIDを非表示/違反報告)
氷那(プロフ) - sm推しさん» sm推し様、初めまして、コメント有難うございます! このような拙い小説のファンと言って頂けてとても嬉しいです(^^) リクエストのしょっぴー寵愛ですが、メンバーとしてなのかBLとしてかで内容が変わってきますので宜しければ希望を教えて頂けますと有り難いです! (2022年5月20日 23時) (レス) @page15 id: 32e168989e (このIDを非表示/違反報告)
sm推し - 初めまして(^^♪。リクエストしても大丈夫ですか?スノのしょっぴーがメンバーに寵愛されるお話が読みたいです!これからもファンとして陰ながら応援していますので無理なさらずに頑張って下さい(^^♪。大好きです♡ (2022年5月20日 21時) (レス) id: 944bdeebdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷那 | 作成日時:2022年5月7日 22時