芸能人 ページ3
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あの日踊ったあの曲楽しかったなぁ…
毎日忘れない様に鏡の前で練習してた
祖母が
「なんや最近お稽古熱心やんか」と訝しむ
「へへへ」笑って誤魔化した
数日経ったある日
お稽古前に練習していると
「ちょっとA、こちらにいらっしゃい」
そう呼ばれていくと
そこにはこの前の男の人がいた
「あ…こんにちは」
「こんにちは…
君、日本舞踊習ってたんだね…道理で軸があると思ったよ」
「こんなん、まだまだ半人前です」
祖母がピシャリと遮る
「富貴子さん
たまにはそうでしゃろでええやん…」
文句を言うと
男の人は「くはは」と綺麗な顔で笑った
「ほんで、おじさん?何しにきたの?」
間抜けに聞く私に彼は滝沢秀明と名乗った
私が出会ったお爺さんは社長さんだった
そして目の前のおじさん…もとい、滝沢さんは芸能人さんだった
もともと、お笑番組とかバラエティーを
よくみていてアイドルって存在を詳しく
知らなかった
いや、知っていたら入って無かったかもしれない
私は研修生になれたらしい
「ほんま?習ってもええの?」
滝沢さんに聞くと「おいで」と言ってくれた
そこからがまぁ大変だったけど
お母さんと富貴子さんをなんとか説得して色々誓約つきでレッスンを受けることは
許可してもらえた
ジャニーズ事務所って芸能事務所の
大阪事務所所属なのが
関西ジャニーズジュニアで
私はそこに新設された下部組織に
組み込まれることになった
無知というのは怖いもの知らずだ
詳しいことは全く知らずに入所した
元々ジャニーズ事務所には男性しか所属しておらず昨今の時代のニーズに合わせて女の子も養成してみようってことになったらしい…
だけどほんとはきっとジャニーさんの思いつきだったと今ならわかる
だって私以外に女の子いないんだもん
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作者名:おさと | 作成日時:2023年2月5日 22時