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「どうして？どうしてこんなことに？パパとママは？お姉ちゃん達は？どこにいるの？！」
「凛々花、、、」
「何で名前を変えないとダメだったの？全部返して……返してよぉ……」
「凛々花、あそこに行こう。お姉ちゃんと約束したでしょ？なにがあったとしても10年後、ここにおいでって。」
「……うん。そうだったね。ごめん。行こ。」
そのまま歩き進めると、ある大きな洋館が私たちの前に姿を現した。
「あっ。」
私達が分からない訳ない。
だって……
「見つけた。お姉ちゃんの家。」
私達が、通っていた大好きな場所だったんだから。
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入ってすぐ目の前にある大階段。
天井を彩る綺麗なシャンデリア。
お洒落なドアが沢山並ぶ廊下。
もう誰も住んでいなくて埃をかぶったり、蜘蛛の巣が張ったりしているけれど、この家は未だに私達の記憶の中で輝き続けている。
そして二階の窓側。
この館で最も日当たりが良くて1番広い部屋。
それが私たちの大好きなお姉ちゃんの部屋だった。
「天蓋付きベッドも……お姉ちゃんのお気に入りのもふもふソファも羽付きのペンもそのままだ…」
お姉ちゃんの部屋は、昔と変わらないまま……まるでそこにいた人が突然消えたかのように日常が残されていた。
「……凛々花。」
窓際の本棚を見ていた凛々咲が私を呼んだ。
「何？」
「これ。。」
彼女が持っていたのは、表紙に「Diary」と書かれたお姉ちゃんの日記。
優しかったお姉ちゃんに、見せてってお願いしても唯一ダメと言われた物だった。
その本を手に持った瞬間、私も持つのを待っていたかのように鍵が外れ、ページがパラパラとめくれ出した。
「え？」
そして最終ページで止まった。
書かれていたのは掠れた文字で書かれた「ごめんね」。
ふいに、地面がぐらついたかように足がふらつき意識が朦朧とし始めた。
「えっ……これ…何…」
ふらついた拍子に日記を地面に落としてしまった時、1枚の写真が飛び出た。
薄れてゆく意識の中、そこに写っていたのは私達が高校に入学した時に撮ったお姉ちゃん達との集合写真。
新品の制服に身を包んで恥ずかしそうな顔をする私達を囲んで立つ6人。
・
・
健人お兄ちゃん。
風磨お兄ちゃん。
勝利お兄ちゃん。
聡お兄ちゃん。
マリお兄ちゃん。
そして……
私達の永遠の憧れ。さくらお姉ちゃん。
・
・
ねぇ、教えて？あの時何があったの？
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作者名：麗櫻姫 | 作成日時：2024年1月29日 0時
