Princess. (ページ3)

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ｻｸ……ｻｸ……

「凛々花？」

「あ、凛々咲。」

草原の中を掻き分けてこっちに向かって歩いてくる、フードを被った一人の女性。

鋭い眼光は昔も今も変わらない。

・

・

「久しぶりだね、凛々咲。元気だった？」

「まあね。」

隣を歩く凛々咲にどこか懐かしさを覚える。

(昔もこうやって歩いたなぁ……)

懐かしさと太陽の陽射しのせいか、前を歩く彼女と後ろを歩く私が、高校時代の私達とリンクしたように見えた。

私たちは迷わず草原の中を進む。

あの頃もそうだった。

幼すぎた私達は気づけなかったんだ。

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(？？side)

「…なるほど。今日の運転に"あの駅"で降りた人物がいたということですか。」

「そうです。」

「ちなみに……この2人のどちらかと似ていましたか？」

刑事は座っている男の前に2枚の写真を出した。

そこに写っているのはそっくりな笑顔で笑う2人の少女。

「……いえ。似てないと思いますけど……」

「そうですか。。わかりました。ではこちらの件、受理させていただきます。」

「あ、ありがとうございます。よろしくお願い致します。」

そう言って男は頭を下げ、帰って行った。

「加奈山さん、どうでした？」

「いや、わかんねぇ。何も掴めなかった。」

「やっぱそうなんすねー。正直これむずいっすよ…？」

「……わり。でもやめれねぇんだわ。とりあえずこれ戻してくる。」

「あ、了解です。」

・

・

加奈山は所内で最も目立たない場所にあるであろう部屋のドアを開け、室内に入って行く。

そこに広がっているのは、とある1台のボードを中心として拡がる沢山のホワイトボードと多数の資料。

「帰ってきたんだな。」

中心のボードに歩み寄る加奈山。

6人の写真が貼られている所に、持っていた少女達の写真を貼り付ける。

「クソっっっっっｯ！！！！！」

壁を殴ったからか、先程の二人の写真がはらりと床に落ちる。

写真の裏に書かれていたのは彼らの名前と少しばかりのメモ。

『神楽凛々花』

『神楽凛々咲』

note: 双子の姉妹。当時16歳。