Princess. (ページ1)

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Prologue ページ1

深夜の居酒屋。
目の前には楽しそうに酔っている友達。

「あ、れのん〜！！じゃあね！！」

「うん！ばいばい！また明日ね〜」

笑顔で手を振って友達と別れる。

私とは逆方向の道から、さっき別れた友人のクソでかい笑い声が聞こえてきた。

・

・

「ふぅ……」

なんだかんだ友達付き合いも疲れるなぁ。
楽しいからまあいいか。

そう考えながらいつも通り電車に乗って、いつも通り自分のマンションに帰る。

他愛もない日常。

……ｯガチャッ

「ただいま〜」

誰もいないのに何故か言ってしまうのは長年親と共に暮らしてきた名残なのだろうか。

コンビニで買ってきたお弁当をテーブルの上に置き、手を洗いに行こうとした時だった。

ブブッ

「？」

LINEの通知を知らせるバイブ。

(新着メッセージ1件。)

……前言撤回。今日だけはいつも通りの日々じゃなかったかもしれない。

凛々咲: 明日、集合。待ってるから。

「…………ハハッ」

真っ黒のスマホの画面に水滴がつく。

「やだなぁ……せっかく忘れてたのに。私ってばもう……」

壁によりかかり、カーテンから漏れる薄暗い月明かりを見つめる。

「……意味ないんだよ……あなたがいなきゃ…」

私が追いかけ続けたあの人。

そして私が愛したあの人。