■濱田 ページ9
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この人はいつだって、どんなに忙しくたって、私のところに駆けつけてくれる。
それは一種の呪いなのかもしれない。
「たかひろくん」
でも、もうそれも解ける。
縛り付けてごめんなさい。
「私ね、関西Jr.を捨てる」
ひとりでちゃんと歩いて行くから。
「は?ちゃんと説明して」
「関西ジャニーズJr.の私は春松竹で終わって、もう卒業する。てか、した」
「したって…それは、もう決めたことなん?」
「うん。さっき事務所行ってきた」
ずっと、ずっと考えていた。
私が関ジュにいる意味を。
ずっと考えて、どんなに考えても、見つからなかった。
「なにわがいて、Aぇがいて、リトかんがいて、私は、」
春松竹、康二と龍太くんのいなくなった松竹座。それを見ながら思ってた。私いらんって。私がおってもおらんくても、何も変わらん。
むしろ、邪魔でしかない。
新しい時代を築きたいのに、古い人がおったってしゃあないやん。
「私は、こっちで私の道を探す」
それが最善やと思った。最善で最高で、最悪の逃げ道。
ありがたいことに演技のお仕事もモデルのお仕事も貰えてる。事務所もすんなりオッケーしてくれて、早速ドラマのお仕事にブッキングできるか動いてくれるらしい。
それはまるでこうなることを望んでたかのようにスムーズに事が進んだ。
「関ジュの名前を背負ったままじゃあかんのん?」
「うん。あの子達はあの子達で歩いてるから。私は歩こうと思えば自分の道を作れるのに、その名前を使うなんてせこいやろ?」
「A、」
寂しくて寂しくて仕方ない。苦しくて悔しくて、吐きそうで、心臓が痛い。
本当はずっと一緒にいたかった。離れたくなんかなかった。
でも、あそこに居場所を作れるほど私は強くない。
「困ったことあったらすぐ言えよ」
「ん」
「照史と淳太もおるんやから」
「ふふ、口うるさいおとんたちやなぁ」
「せめてお兄ちゃんにしてほしいなぁ」
だから、さよならの時間です。
「ありがとう、濱田くん」
「はは、お前に濱田くんて呼ばれるん久しぶりやなぁ」
ありがとう。
ありがとう。
これからもよろしくお願いします。
私の大切なお兄ちゃん。
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rrrr(プロフ) - 丈くんといちゃいちゃ見たいです!あと西畑くんと仲直りしてほしいです! (2019年11月22日 19時) (レス) id: 5de1dbfa32 (このIDを非表示/違反報告)
ラッコ - 無理言って申し訳ありません!Travis出演の素敵なお話ありがとうございました!嬉しかったです!!今後も更新楽しみにしております (2019年8月29日 12時) (レス) id: 5b926bea01 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - まなさん» ありがとうございます!無知により失礼しました。修正致しました! (2019年8月19日 19時) (レス) id: f81c6301ac (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - 如恵留の川島が違ってるみたいです! (2019年8月17日 20時) (レス) id: 5d5f7ff18d (このIDを非表示/違反報告)
ふーか - トラジャ出して頂きありがとうございます!!! 更新頑張ってください!!!! (2019年8月17日 11時) (レス) id: 20fb14c53f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:aoi | 作成日時:2019年4月3日 12時