お姫様は関西Jr.でした。８

□大晴 ページ6

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春が終わってすぐにAぇの稽古が始まった。まだしばらくはゆっくりできへん。でも、せっかく東京来てるし、ちょっと時間もらえたから少しブラブラしよってなって、久しぶりにデートなんかな。




それやのにこいつは、




「ねぇっ、もっ、これ、あはは！！」

「え、そんな笑う？！彼氏やで？！」

「いやだってカッコつけすぎ！」




新曲で俺がクソほどカッコつけてんのが面白いらしくて、その動画見てひたすら笑ってる。めっちゃ失礼やない？




「ええからはよその一口食えや」

「ふはは、ごめんごめん。食べるからっ！」

「そんなさぁ、笑わんでもさぁ、」

「もー拗ねんでよ。かっこいいよ？」

「絶対うそやん」

「かっこいいかっこいい」

「2回言うときは心がこもってない」





ほんま時間ないってのに。こいつが行きたいカフェに行って、こいつが行きたいタピオカのお店行って、こいつが行きたい服屋さんに行って、ってそんな時間あるかな？あと1時間で戻らなあかんけど。タピオカはみんなの分買ってって、稽古場で飲むかなぁ。





「大晴、行こ」

「ん、やっと食ったか」

「ごめんごめん、あ」

「一回な」

「ごめんなさい！」

「よろしい」




手を繋ぐことはない。それでも、歩くたびに腕と腕が触れて、夏が待ち遠しいなんて思ってしまう。


まだ少し肌寒くて、マフラー持ってきててよかった。でも、公演が終わる頃にはあったかくなってるんやろなぁ。


落ち着いたらまたゆっくりデートしたいなぁ。





「お前の行きたいとこどこやっけ？」

「んー、新宿の方なんやけど、やっぱ無理かなぁ。時間ないよな」

「微妙やな」

「ほなタピオカだけ行こ！それなら近いし」

「ん。みんなに買ってこ」

「何味がええかなぁ」

「LINEするわ」




たいせータピオカ買ってかえりまーす
もも何味がいいですかー?
ももメニューの写真
すえ苺ミルクティー
晶哉なんでも大丈夫です!
正門俺と佐野はミルクティーで
すえリチャ抹茶ラテやって!
もも誠也くんかわいい
たいせー誠也くんだけ一番ちっさいサイズにします!!
すえなんでやねん!!
正門遅刻すんなよ〜〜





さて、みんなで午後もがんばろー！





小島待って俺もデート誘ってよ



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