お姫様は関西Jr.でした。８

□大晴 ページ30

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「大晴タピオカ行こうよー」

「はぁ？もう飽きてんけど」

「えぇー」

「お前毎週飲んどるやん。腹壊すで」

「むーー」




今日は久しぶりのデート。ももは相変わらずタピオカタピオカ言うてるけど、俺はこいつに付き合って散々飲んでるから飽きた。


てか、久しぶりのデートやのに手も繋げんのか。当たり前やけどさぁー。




「もー、大晴なんでそんなご機嫌斜めなん？」

「暑いねん」

「湿気やばいからなぁ」

「そうそう」

「ほんまに？」

「ほんまほんま」

「もー、おうち帰る？」




待って俺めっちゃカッコ悪くない？ももとくっつけへんくて拗ねるってやばない？



「だぁー！なんでもないわ、ほら、次どこ行くねん」

「む、なんでもないってなんなん？！大晴が乗り気やなさそうやったからさぁ！」

「やから気にすんなって！」

「気になるやん！せっかくのデート楽しみにしてたのに、」




結局言い合いになってしまって、思っきし拗ねてしまったもも。あーもう、ちゃうやん。てか、こんなん誰かに聞かれてたらやばいやん。ここ人通り少なくてよかったー。


さぁ、どうすればこいつの機嫌は治るのか。1、素直に言う。2、ギャグで笑わせる。3、本当は体調悪かったことにする。んーーー、3は嘘つくことになるしなぁ。かと言って2は無理やん。こいつ怒ってる時にこれは火に油。




「久しぶりやん、ふたりでって」

「んー」

「やからさぁ、」





頑張れ俺！もう選択肢は1しかないねん！男を見せろ！！





「なんかもっと、」

「もっと？」

「……ちゃ、したかってん、」

「はぁ？なんて？」

「〜っ！やから、イチャイチャしたかったんです、」




だぁーー！！言った。言ったぞ俺！！！よっしゃ、よっしゃ、よっ「ねぇ、大晴」って言わせろやーーー！！！



「え、た、大晴？」

「あ、ごめんごめん。なに？」

「お家帰ろ？」

「え、いや、やから」

「ももやって、一緒やし」




あ、待ってこれズッキュンとくるやつ。絶対可愛いやつ。分かってる。だってもう可愛いもん。




「なに？」

「もう！分かってるやろ」

「んー？」

「ももやって大晴とイチャイチャしたいの！！ばか！！」



カーンカーンカーン。福本大晴完敗です。もう今すぐ帰ろうすぐ帰ろう。お家で何するかって？そんなんひとつしかないやん。





「ねー、帰ったらマリカーしよ？」

「なんでやねん！！」


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