■龍太 ページ18
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あと1週間もすればAは東京に行ってしまう。まだ引っ越しはせんらしいけど、ドラマの撮影でしばらくはあっち。ホテル生活らしい。
しばらくここに来ることもなくなるかな。一緒にご飯を食べて、テレビを見て、髪を乾かしあって、パックをつけた顔に笑って、それがいつも通りって呼べるくらいにはここへ来た。
「龍太くん?」
「ん?」
「んーん」
「どしたん、もう寝るか?」
「んー、」
「なんやねん、ほらおいで」
どうすればええかなんて誰もわからんし、どれも正解ではない。全員が幸せになんかなれへん。
でも、Aには幸せでおってほしい。
「龍太くんぎゅーして」
「はいはい」
「りゅたくん」
「んー?」
「んー」
「何唸ってんねん」
「……ちゅうしたい」
「はは、それで唸ってたん?」
「もお!やから嫌やったのに」
「ごめんって」
「ん」
もうキスをすることにも慣れた。Aキス魔やし。ただ、それ以上となると戸惑うのも事実や。いや三十路のおっさんが何ビビってんねんと思うで?!でもこればっかりはさぁ!!!
「りゅーたくん、もういっかい」
ああもう悪魔の囁きみたいやわ。これでも我慢してんねん。いや、こいつの場合俺が我慢してるって分かった上で煽ってきてるよな。
いいのか、俺。
てか、なんで躊躇してんねん。恋人やんな、俺ら。
「りゅーたくん?」
名前呼ぶなって!お前わざとそやって甘ったるく呼んでるやろ。
なんとか耐えようと、Aを抱き締めて肩に顔を埋める。
「…りゅーたくん、」
それやのに、そんな寂しそうな声出すなや。思わず顔上げてしまったやん。
「龍太くんやから、もっとしてって思うんやで?」
その言葉に、表情に、止まらなくなる何かを感じた。
身体だけの関係になるのが怖かった、なんて情けない話や。
そんな関係にせんかったらええだけの話やのに。
「ほんまにええの?」
「ん」
「ほんまに?」
「ほんまに」
「ほんま」
「すき」
「っ!」
「龍太くん、だいすき」
ああもう、ほんまどうしてくれんねん。やばいって。心臓爆発しそうやわ。
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rrrr(プロフ) - 丈くんといちゃいちゃ見たいです!あと西畑くんと仲直りしてほしいです! (2019年11月22日 19時) (レス) id: 5de1dbfa32 (このIDを非表示/違反報告)
ラッコ - 無理言って申し訳ありません!Travis出演の素敵なお話ありがとうございました!嬉しかったです!!今後も更新楽しみにしております (2019年8月29日 12時) (レス) id: 5b926bea01 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - まなさん» ありがとうございます!無知により失礼しました。修正致しました! (2019年8月19日 19時) (レス) id: f81c6301ac (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - 如恵留の川島が違ってるみたいです! (2019年8月17日 20時) (レス) id: 5d5f7ff18d (このIDを非表示/違反報告)
ふーか - トラジャ出して頂きありがとうございます!!! 更新頑張ってください!!!! (2019年8月17日 11時) (レス) id: 20fb14c53f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:aoi | 作成日時:2019年4月3日 12時