お姫様は関西Jr.でした。８

■康二 ページ15

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「あん時から決めてたん？」

「んー、決めてたっちゃ決めてた」

「そっか」




また東京へとやってきたAを捕まえて、自分のホテルに連行。



そこらへんの飯屋でできるような話でもないしな。






「Aも、進むんやな」

「…うん。康二と龍太くんと一緒に」





いつのまにかこんなにも綺麗になってた。




こいつはきっと関ジュの名を無くすことを逃げやと思うやろう。ファンのみんなもそう思うかもしれん。実際ネットではAは関西を捨てたとか、邪魔になったからとか、好き勝手書かれてる。




でも、誰かがおらな泣いてたようなお前が、ひとりでこんな大きな決断をした。それは逃げなんかやない。






「選ばれないならこっちから捨ててやる、って気持ちがないわけやないねん。正直」

向井「はは、うん」

「お前らが手放したんやぞって、もっとでっかくなって見返してやる。なんて、育ててくれた場所に失礼やけどな」

向井「いや、ええんちゃう？それくらい強気やないとやっていけんやろ」





俺ら、お互いちょっとは大人になったなぁ。




俺が失敗して泣いてたら慰めてくれるのはAやった。Aは失敗しても泣かんかったけど、寂しくなっていじけるのを俺がよく見つけた。





「東京来るんやんな？」

「せやな。そのうち」

「あーあ、俺も引っ越さななぁ」

「引っ越しめんどいなぁ」

「そー！兄ちゃんに頼もー」





どうしようもなくなったとき、縋り付くように助け合ってきた。身体を重ねたこともいっぱいある。




でも、今日は、これからも頑張ろうって握手をして、それ以上触れ合うことはなかった。抱きしめ合うことも、キスをすることも、呼吸のようにしてきたそれらを何一つせんかった。それでも、どこかスッキリしたのは俺もAに依存してたからかもしれない。




これから、また、0から始めよう。





「ほな、帰るわ」

「おう…なぁ」

「ん？」

「あー、いや、ええわ。また連絡する」

「ん。わかった」






好きやなんてまだ言えんな。今は距離がある方がいい。もう、押し付け合うような恋なんてすべきやない。




やけど、ひとりになった部屋で、少しだけ、泣いた。





君にそんな決断をさせたのは誰なんやろう。






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■丈→←□Aぇ

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