お姫様は関西Jr.でした。８

■龍太2 ページ11

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「A、聞いて」





涙でぐちゃぐちゃのAの顔を袖で拭った。





「みんながお前を好きって思う気持ちとか、大事に思う気持ちに嘘はない。絶対。やけど、それでも今までと環境が違うやん。やから、それでしんどくなるくらいなら、ええと思う」





今まで10Aやったのが5A、5ももになってしまう。そんな奴らもおるやろう。



そこに不安を抱えて苦しむくらいなら、離れてしまえばいい。



依存の先に未来なんてない。






「その変わりちゃんと覚悟決めや。関西ジャニーズJr.出身のやつが泣き虫やなんてカッコ悪いで」





関ジュの名前すら残さなかったことがこいつなりの決意で、覚悟で、逃げで、もうそんなん何も言えるわけないやん。





「りゅっ、ううっ、」

「もー！どんだけ泣くねん。干からびるわ」

「りゅった、くんっ、まだ、わたしとっいっしょにおってくれる？」

「何言うてんねん。当たり前やろ」





本当は俺も突き放した方がいいのかもしれない。



けど、そんなことできるわけないやん。やって、好きなんやもん。好きな女が目の前で泣いてて、抱きしめん男とかおらんやろ。







「りゅーたくんに会いたくなんったん。ほんまは東京にホテル取ってたけど、なんか会いたくて、気付いたら新幹線乗ってて、そんで、そんでねっん」





お前、そんなん俺期待すんで。ほんまどんだけ期待さすねん。





誰かに会いたいと思う気持ちは、好きってことやって学校で習わんかったか？習わんか。






「っはぁ、」

「A、好きやで。好きやねん、ほんまに」

「うん」

「Aは？」

「っ、すき、なんかもう、めっちゃすきっ！」






俺が全部教えてやる。付き合うってこと、好きってこと、安心すること、任せられること、頼れること、愛しく思うこと、全部全部俺と一緒に知っていこう。








「俺らお揃いやな」

「え？」

「俺も関ジュ卒業したもん」

「ふふっ、ほんまや」

「卒業記念パーティーでもするか」

「うん、おっきいケーキ買ってこよ」

「それはお前が食べたいだけやん」






そうやって、俺と恋をしよう。





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