41(sho side) ページ41
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紫「A！！」
もう会うことはないと思ってた矢先のことだった。
人集りの中に横たわってる姿は
紛れもない、Aの姿で。
考える間もなく人を掻き分け、すぐにAを抱きかかえた。
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頭から血を流し、白雪のように白い肌は
赤く染まってゆく。
華奢で細い体が更に細く感じた。
紫「A…、？」
大粒の雨が彼女を容赦なく打ちつけ、
血が雨と混ざり、滲んでいく。
彼女の頬に触れると
今度は俺の手が赤く染まってって。
紫「A…、」
目を瞑ってる彼女の名を
紫「A…っ」
何度も、何度も
紫「A…！」
抱きしめ直しては、呼んだ。
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前に、たくさんの花が咲き誇る、花園にキミを連れてった時。
＿＿＿「わぁ…！お花だっ！」
＿＿＿「やっぱ女って花好きなの？」
＿＿＿「そりゃあね。綺麗な花見てると気分上がるでしょ。」
＿＿＿「ふぅん。Aは何が好きなの？」
ふと、好きな花の話をした。
＿＿＿「私はベタだけど薔薇が好き。」
＿＿＿「薔薇？」
＿＿＿「薔薇にはね、色と本数によって花言葉の意味が変わってくるんだよ。
ちなみに私は真っ赤な101本の薔薇が一番好き。」
薔薇が一番好きだと言うキミの横顔はとても綺麗で。
＿＿＿「100本じゃなくて101本？なんだそれ。」
＿＿＿「もうっ！すぐ鼻で笑わないの！
101本の薔薇の花言葉はね、
"最愛"
"あなただけ"
って意味なの。
いつか私だけって想ってくれてる人に101本の薔薇をプレゼントされるのが憧れなんだ。」
キミは、俺に一番好きな薔薇の花言葉を教えてくれた。
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俺にとってキミは、薔薇のような人。
暗闇の中で唯一綺麗に咲く、一輪の薔薇＿＿＿
俺だけの真っ赤な薔薇なんだよ。
なぁ、もし目を覚ました時、
その時は迎えに行くから待ってて。
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作者名：rion
| 作成日時：2018年9月7日 10時
