36(sho side) ページ36
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俺の家に女が上がり込んでる事はガードを頼んでる部下の数人しか知らない。
まぁ…一応あいつらにはしっかり口止めしてるはずだけど。
俺ってそんな顔に出てんの？
廉「女でも出来たんか。」
廉の率直すぎる言葉に眉がピクっと反応した。
紫「…まさか。」
廉「じゃあなに？」
紫「実は猫飼い始めた。」
廉「は？猫？」
咄嗟に思い付いた嘘。
実際は人間だけど。
紫「そう。子猫。」
…確かに子猫っぽいからあながち間違いでは、ない。
廉「ふぅん。あの冷酷な男って言われてる紫耀が猫ねぇ。」
一口分残ったジントニックを一気に喉へ流し込み、もう一杯頼む廉。
紫「それ周りが勝手に言ってるだけだろ。」
廉「でも冷酷なのは間違えてへんやろ。」
一体どこからそんなネーミング付けてきたんだよ。
勝手にヤバい奴とか決め付けられたこっちはいい迷惑だわ。
俺も残りの酒を一気に飲み干し、同じものを頼んだ。
廉「そや。そしたら今度会わしてや。」
紫「は？」
いきなり突拍子もないこと言うから思わず間抜けな声が出てしまった。
廉「え？なに？ダメなん？」
紫「…今は厳しいな。爪で引っ掻いたり噛んだりしてくるから。」
廉「せやから今度て言うてんねん。」
中々引き下がらず、食い下がってくる廉に
紫「まだ躾に時間かかるから断る。」
俺も負けじと上手くかわす。
廉「別に躾出来てなくてもええよ。全っ然気にせんから。」
紫「俺が全っ然気にするからムリ。」
廉「なんやねん。意味分からんわ。」
廉が変に抜けてる奴で良かったとこの時思った。
だがしかし、この後俺が酔っ払ったせいで結局廉にAのことがバレてしまったことは言うまでもない。
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作者名：rion
| 作成日時：2018年9月7日 10時
