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少し歩いて、デスクの前で立ち止まる。
父「初めての家出は楽しかったか？」
あ「…。」
父「もう十分だろう。」
何も言わず、顔を俯かせていると
お父様は全く気にも止めないで話を進めた。
父「今度の日曜日、波木グループの息子とお見合いすることになった。」
またそうやって勝手に決めて…！
あ「どうして勝手に決めるのよ！私はこんな結婚嫌って言ってるじゃない！」
お父様が決めた人と政略結婚するのが嫌で家出したのに
私が遊びで家出してたって思ってたわけ？
ほんととことんお父様の考えとは合わない。
父「お前は九条家の人間なんだぞ！何を我が儘言っとるんだ！」
あ「私を…娘を仕事の道具として利用しないでよ！」
父「お前の人生は俺に任せておけばいいと何度も言ってるだろう！何がそんな不満なんだ！」
そりゃあ不満だよ。
昔からそうだった。
お父様が引くレールの上だけを歩かされ、
私が一歩、レールから外れようとしたら
「お前は九条家の人間なんだぞ！」って言ってきて
無理矢理元に戻される。
それに対してお母様は何も言わなければ
まず娘の私に興味すらもってくれない。
本当は学校の友達と遊びたかったし
習い事も自分がやりたいのだけやりたかった。
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あ「結婚相手くらい自分でーー…「なんだ？結婚相手って青龍会の若僧のこと言ってるんじゃないだろうな？」
私の言葉を最後まで聞かず、言葉を被せてきた。
なっ、なんでお父様が紫耀のこと知ってるの…？
父「けしからん。ろくでもない男と関わりおって。」
許せない発言に言い返そうとしたら
あ「彼はろくでもない男じゃーー…「九条家の人間として恥を知れ！！」
鬼のような形相でダンッッと思い切りデスクを叩いた。
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作者名：rion
| 作成日時：2018年9月7日 10時
