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＊
今日も広臣と練習のためスタジオへ
優梨の言葉を思い出しながら
エレベーターの角を曲がる
「ファン的ファン的...」
ファンと恋愛って何が違うんだ？！
おい、まず恋愛ってなんだ？！
これはやばい
この歳で恋愛も分からなくなったら
もうこの先どうすれ...
どんっ
「「うわ！！」」
誰？！
誰かとぶつかった！！
「うぉお！！ごごめんなさい！！」
「いや、こっちこそごめん！」
ぶつかった相手の顔を見ると
サングラス...
でもかなりいい声の男前だ
でもこの人前にも会ったことある...
「あれ！Aちゃん？
うわ嬉しい〜！俺のこと覚えてる？！」
「え、いやあの〜...」
名前が思い出せん...！
誰だっけなぁー
「嘘でしょ。かなり悲しいんだけど笑
敬浩だよ！」
「あぁ！！敬浩さん！」
そやそや敬浩さんや、敬浩さん
「今日は臣と練習？」
「そうなんです。ごめんなさい
事務所のスタジオ借りちゃって」
「いやいや、全然問題ないよ！寧ろラッキーだし」
「らっきー？」
「うん！だって、
こうやってAちゃんに会えるしね」
無邪気なニコニコ顔の敬浩さんに
かなり距離を詰められる
なんか、さらっと口説かれてるような...
「ずるいな臣。
こんな可愛い子と仕事出来るなんて」
「そうですかねぇ...」
やば、近っ！！
「今度、俺とも一緒に歌ってくれる？」
一瞬で敬浩さんの顔が目の前に
最近の日本の男ってこんなに肉食系なの？
だってもう5センチの距離だよ？！
「なにしてんの」
ナイスタイミングで
はたっとエレベーターから降りてきた広臣
「広臣！」
あぁ、助かった！！
敬浩さんから離れて広臣の後ろに隠れる
「敬浩さん何してんすか笑笑」
「ごめんごめん。
Aちゃんがあんまり可愛いから
ちょっといじめちゃった笑笑」
え、今のちょっとですか？！
広臣の背中からひょっこり顔を出すと
サングラスを取った敬浩さんと目が合う
「また会おうね、Aちゃん」
キザにウィンクして去って行った敬浩さん
すると
「敬浩さんには気をつけろよー
あの人と居たら妊娠するよ？」
「に、妊娠？！！」
「ははっ！！」
笑いごとじゃないんだけど！
「それよりさ、いつまで
俺の背中に隠れてるわけ？」
「あ、」
「ふっ...い」
「え？なんか言った？」
「なんも言ってねーよ」
＊
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作者名：ぬん | 作成日時：2016年10月2日 2時
