SWAG 登坂広臣 (ページ2)

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「いやー、その...」

記者の質問に戸惑った私は、
ふと、社長の言葉を思い出す

『登坂さんは大変人気のあるスターだ。
”付き合ってる”と言っておけばいい。
Aの名は今、海外にまで知れている。
登坂さんもだ。新興があっても不思議じゃないさ。
業界で力を伸ばしてきたことを世間に見せる良い機会だ

利用しなさい。』

そんなようなこと言ってたな

でも、
人を利用するなんて、できないよ

その時はそう思ってたのに

なぜか

「友達ではないです」

それだけ言ってそそくさと裏に逃げた

後ろから

『友達でなければ恋人ですかー！！？』
『いつから付き合ってるんですかー！』

と騒いでいる記者の声

きっと”恋人”だと、
新聞や週刊誌に書かれるだろう

私の口から出たあいまいな言葉。

言うべきじゃなかったよね、

でも、
間違ってはない。

”友達ではない”

友達じゃないよ。
もともと誰かも知らなかったし

最近私との熱愛報道に関連して
芸能ニュースや、週刊誌なんかで紹介されてた
登坂さんの情報。

どれだけ人気なのかもわかった

偶然出会った人なのに熱愛なんて、馬鹿みたい。

根拠の無い報道ってほんと嫌い。

確かに、登坂さんのこと、

顔はすごいカッコいいって思っちゃったけど。

さっき否定するべきだったな。

後悔する私。

スーパーで写真を撮られたあと、

登坂さんに

『とりあえず、連絡先、交換しよ。

週刊誌が多分うるさくなるだろーから

念のため連絡取り合える方がいい』

と言われ連絡先交換したんだけど

連絡先を教えてもらっても

自分から連絡しようと思わないし

それに、

絶対熱愛否定しなかったこと、怒るよね。

彼女とかいたらどうしよう。
そうだったら悪いなぁ、

そのとき

ピロロロン

誰かからメッセージが届いた

画面を開くと

ー登坂広臣１件ー

うわ、どうしよ

とりあえず開いてみると、

『今日、会える？』

＊