▽イチャイチャ？ ページ37
.
付き合うってどういうことなんやろう。分からんけど、すこしフワッとした気持ちがまるで恋する乙女みたいでくすぐったい。
「大晴、お待たせ」
「おう」
今日は仕事がなくて、学校が終わる時間も同じくらいやったからどっかでご飯食べようって。
あれから顔を初めて合わせる。
どこかぎこちない空気は、決して嫌じゃない。
「あいつらにバレてたわ」
「うん。盗み見？されてたんやろ。とわくんが嬉しそうに報告してきた」
「アホやろ、」
「ほんまな」
「はは」
「ふふ」
あ、初めて目があった。
あ、逸らされた。
あ、またあった。
「「ふっ」」
ただ隣を歩くだけなのに、こんなに安心するのはこの関係に名前がついたからかな。
「なぁ」
「ん？」
「何食う？」
「えー、なんの気分やろ」
「ピザはなしやで。俺の気分ちゃう」
「もう！そんないつでもピザ食べへんから！太るわ！」
「え……いや、べ、べつに、その、今も十分…いし」
「え？」
「もうちょっと太ってもえんちゃん！てこと！！」
顔を真っ赤にする大晴。ああもう！なんて髪の毛をかきむしってるから、恥ずかしいならそんなこと言わんかったらええのに。
ほんと、不器用やなぁ。
今だにブツブツ言ってる大晴の横顔を見ながら考えた。
「付き合おう」
その問いかけにNOと言えない自分がいて、答えは自然と口から出てた。
NOと言えないことがYESである理由になり得るんじゃないかって、それで十分ないんじゃないかって思った。
「大晴」
「お、おう！」
「ハンバーグ食べたい」
「おお！ええなぁ！ほな、前康二くんらが行ってたカフェ行くか」
「うん」
この人が隣にいない未来がうまく想像出来なくて、今隣にいてくれることに安心して、目があうと笑ってしまうし、歩きながら手がぶつかるとドキっとして、ゆっくり歩いてくれてることが嬉しくて、優しくしようとしてくれてるのが嬉しくて、そんな気持ちが全部恋なのかもしれない。
恋なのかもしれない。
そう思うと、思わず笑ってしまうくらい幸せだと思えた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 841人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なや - 晴太郎が年上のお姉さんのほうにちょくちょく出てくるから気になって仕方ないです！頑張ってください！ (2017年4月14日 23時) (
レス) id: 972acb31ee (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - コメント失礼します いつも楽しみにしてます！パート4のパスワード教えていただけませんか？ (2017年4月13日 0時) (レス) id: 6a54daccde (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 更新頑張ってください！ (2017年4月9日 9時) (レス) id: 2944c5a0aa (このIDを非表示/違反報告)
みぃ - とても気になります！良かったらでいいのでパスワード教えてくれませんか？ (2017年4月7日 21時) (レス) id: a255272259 (このIDを非表示/違反報告)
ブタ(プロフ) - コメント失礼します。 いつも楽しく読ませて頂いています！続きが気になるので、パート4のパスワード教えていただけませんか？ (2017年4月7日 20時) (レス) id: b456d9a872 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：aoi
| 作成日時：2017年2月6日 21時
