▼甘えたい期 ページ35
.
「康二、ひざまくら」
向井「ん？めずらし」
「くっついてたいの！」
向井「まだ丈と仲直りしてないん？」
西畑「してないしてない」
室「え、喧嘩したん？」
大西「丈くんが約束すっぽかしたんやって」
室「え？！あの丈が？！」
西畑「そ。丈くんがAのことすっぽかすなんてよっぽどやで？やのに理由も聞かんと怒ってんの」
うっさい。理由なんて分かってるもん。
聞かんくたって分かってて、分かりたくなくて、イライラする。
向井「Aは悲しかってんなぁ？」
「…べつに」
向井「はいはい」
こういうとき優しいのはやっぱり康二。みんなの前じゃ大吾は正論ぶつけてくるし、龍太くんと流星はまぁ、ね。仕方ない。
頭を撫でてくれる康二の手に目を閉じて考える。
私が悪かった？
私のせい？
Aまだ?もうご飯できてるよ
丈一郎とご飯を食べる約束をしてた。丈一郎が食べたいって言ったシチューを作って待ってた。仕事は19時には終わるから20時には来れるって言ってた。
でも丈一郎は来んかった。
連絡が来たのは次の日の朝やった。
じょー昨日行けんでごめん
ただそれだけやった。それが罪悪感による素っ気なさなんて分かってる。
でも言い訳もしない丈一郎に無性に腹が立って、既読無視。
知ってるよ、彼女のとこ行ってたんやろ？そりゃあそうやんな。彼女が一番やもんね。今までだって彼女を優先させるなんて何回もあった。
けど、なんで今？
いや違う。私がなんでなんて思ったらあかんねん。この関係を望んだのは自分やし、付き合ってって言えば丈一郎は彼女と別れて私を選んでくれる。それをしないのは私。
分かってる、分かってるけど、分かりたくない。
「…っ、」
向井「ほら考え過ぎ。泣いたら目ぇ腫れるで」
丈一郎とどうにかなりたいなんて今更思わないし、思えない。だけど失いたくないし、誰かのものになんてなってほしくないっていう、最悪なワガママと独占欲。
ああ、どうして私はあの子みたいに幸せになれないんやろう。
自分が悪いのに、無い物ねだりもいいとこやわ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 841人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なや - 晴太郎が年上のお姉さんのほうにちょくちょく出てくるから気になって仕方ないです！頑張ってください！ (2017年4月14日 23時) (
レス) id: 972acb31ee (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - コメント失礼します いつも楽しみにしてます！パート4のパスワード教えていただけませんか？ (2017年4月13日 0時) (レス) id: 6a54daccde (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 更新頑張ってください！ (2017年4月9日 9時) (レス) id: 2944c5a0aa (このIDを非表示/違反報告)
みぃ - とても気になります！良かったらでいいのでパスワード教えてくれませんか？ (2017年4月7日 21時) (レス) id: a255272259 (このIDを非表示/違反報告)
ブタ(プロフ) - コメント失礼します。 いつも楽しく読ませて頂いています！続きが気になるので、パート4のパスワード教えていただけませんか？ (2017年4月7日 20時) (レス) id: b456d9a872 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：aoi
| 作成日時：2017年2月6日 21時
