▼奪いたい(宏志朗side) ページ49
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「ももちゃん、泣いてたで」
いきなり後ろから抱きついてきて、そんなセリフ。
この人は喧嘩でも売りに来たんか、とは思うけどそんなこと言えるわけもない。
福井「俺があいつを慰めに行ってもいいんですか？」
「んふふ、それはダメ」
福井「ワガママやなぁ」
「うん。そうやで？」
福井「まぁ、それでも好きですけどね」
Aさんは良くも悪くもほとんど変わらん。相変わらずボディータッチは激しいし、誘うような言葉も多い。
だけど、その中に少しだけ甘さが加わったのはあの日からかな。
「ふふ、宏志朗〜！」
福井「せめて場所変えましょ？ここ廊下」
「はぁい」
俺の右腕に絡みついて、満面の笑み。
子どもみたいや。これが本来の姿なんやろなぁ。
「なぁ、ももちゃんまだ宏志朗のこと好きやで？」
福井「そうかなぁ」
「見てたら分かる」
福井「うん。けど、応えれんから」
「ちゃんとごめんねした？」
福井「したよ」
不安げに揺れる瞳は、何を思ってかな。
前に丈くんに言われた。「Aは誰かが離れてくのが何より嫌いやから」って。
俺がもものとこ行ってまうと思った？
福井「Aさん」
「んー？」
空いてる部屋に入って、扉を閉めた瞬間俺に抱きついて、胸に顔を押し当ててくる。
可愛い。
俺の声に反応して絡んだ視線はなかなか離れてくれんから困ったもんやわ。
福井「そんな見んといて下さいよ」
「えー、だってぇ、」
福井「んー？」
「…いじわる」
福井「たまには俺だって主導権握りたいんですよ」
なんて言いながら心臓はバクバク。
目をそらしたいのにそらせなくて、時が止まったみたいに見つめあったまんま。
「ねぇ、宏志朗は、宏志朗だけは、どこにもいかんとって」
福井「Aさん？」
「私以外の人のものになんてならんで」
目をそらしたのはAさんだった。
前はいつだって逃げ出してなんて言ったくせに。もちろん離れるつもりなんてない。出会ったときからAさん一筋やねん。
強がりなだけで、本当は寂しがりやのAさん。ひとりになることを誰より恐れてるのはこの人やと思う。
福井「ずっと側にいます」
「本当？」
福井「俺、嘘はつきません」
「絶対？」
福井「絶対」
もう一度目が合って、お互い吸い込まれるようにキスをした。
俺だけはAさんを裏切らない。
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彩(プロフ) - 龍太くんとの絡みが見たいです！ (2018年7月2日 20時) (
レス) id: eee4c66918 (このIDを非表示/違反報告)
ふなめろん(プロフ) - 丈一郎くんとのお話がほとんど似た内容というか表現、言葉でTwitterに載せられてますがaoiさんではないですよね(>_<)？大丈夫ですか？ (2017年6月28日 3時) (レス) id: 85cd6ef50d (このIDを非表示/違反報告)
ピンクジャスミン - お姉さんの名前が出ててビックリした。 (2017年3月31日 16時) (レス) id: e4efacc99d (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいています！毎回この通知がくるとワクワクします！私は主人公ちゃんがすきです！過去の話すごく気になります！ (2017年2月4日 13時) (レス) id: 0de130e4a5 (このIDを非表示/違反報告)
らびっと(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます！主人公ちゃんの過去の話？(少し触れていたやつ)を回想として見たいです！ (2017年2月2日 9時) (レス) id: 20d02c6305 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aoi
| 作成日時：2016年12月28日 19時
